『シナントロープ』最終話

鍵を盗む手際が良すぎる里見とか、尾行がバレたあと普通に都成と合流した田丸さんとか、なによりクルミが折田の所有だったらしい山(以前キノミトキノミのメンバーが拷問の末殺された小屋)に呼び出された理由が不明なままだけど、最後まで面白かった!。
やっぱり水町の祖父だったインカアジサシとともにすべて、さいしょっから水町の計画であり、現時点で欲しいものはすべて手に入れましたというオチは予想通りだけど、それはそこに到達するためのヒントが散りばめられていたからで、完全無欠の緻密な計画などではなく綱渡りなところも結構あったのを「遊びでやってる可能性もある」と言わせての種明かしの塩梅も程よく(喋らないキャラのはずのハシビロコウがめっちゃ流暢に謎解きしてて笑ったw)、もう一度言うけど最後までしっかり面白かったです。

たぶん泣かないと言ってた龍二が見つけてしまったキュウちゃんの死体を前に泣きながら無音回想するキュウちゃんとのあれこれがぜんぶギュンとなるやつで、
ハシビロコウの謎解きを必死で否定しようとする都成の回想のなかの水町がめちゃめちゃカワイイのが切なくてさあ。

その流れでキバタンが見つけて都成が持ち続けてたスマホが誰のものなのかを「証明」する演出がエグすぎの上手すぎ。

ていうかさあ、キバタンはさあ、今どこでどんな毎日を過ごしてるんだろうな。
まだ規制線が張られている状態とはいえキバタンが山を訪れたのは早くても翌々日(都成が水町を発見し、警察が遺体を発見したのは17時以降のことで、現場の捜査が終わったあとのことだろうから)だろうしさすがにそれまで折田の命があったとは思えないけど、どういう形であれ「折田」を見つけてしまったのだとしたら、それがキバタンの人生を変えるキッカケになったのかもしれない。
まあ「トンビの子はトンビ」らしいけど。

そんでもって「となりのとなり」がそういうことだとは。
親にいい加減外せば?と言われるほど都成にとって警察からの感謝状とそれを報じる新聞記事は誇りだったんだろうけど、文字通り「その裏」で水町の人生は変わってしまった。
すべての「発端」から都成のとなりに水町はいたんですよというこのオチ(演出)は痺れたー。

折田から目的のものを奪うべく折田について調べるならばこの記事を水町が見ていてもおかしくはない、いや見ていないほうがおかしいし、年齢と性別が同じ「都成剣之介」がそうそういるとは思えないから都成が折田父を逮捕させた“張本人”だと特定することはできただろう。
自分は水町にとって「どんな存在」だったのか、社会人となるべく引っ越しをする都成がそれを理解したところで物語が終わるとか「青春ミステリー」のエンディングとしてこれは見事と言わざるを得ない。