『フェルマーの料理』第9話

「海さんの店で働くみんなを守りたい」というのが岳の「想い」だったってことは解ったけど、わかったからこそこの闇落ち過程は理解できない。
確かに岳はこれまでも、最初から言語センスが壊滅的で思ってることを他人にわかるように伝えることが不得手として描かれてはきたけど、伝えることを放棄するような子ではなかったとわたしは思う。

なにより「ないわ」と思ったのが孫六に対する「うるせえ!」な。
そもそも岳はそんなことを言わないだろうってことは前提として、百歩譲って言うならば「うるさい!」で「うるせえ!」はないだろよ。
いくら自分の感覚に誰もついてこれないことに、海さんならそれができるのにここにいないことに苛立ちを覚えているとしても「うるせえ」という言葉遣いをする岳はこれまで見てきた岳のなかにはいないわけで、闇落ちというより人が違っちゃってんじゃん。

でもまあなんやかんやで闇落ちから脱出して、海さんをもう一度料理の世界に引っ張り出すことに成功したのはいいけど、味覚障害が治ってない以上「シェフ」は岳ということになるんだろうし、全てが完璧に調和したコースを追求するなら「K」のように客席数の多い大店では無理だろ。海の体調のこともあるし、一日1組とか2組しか予約を受けない隠れ家レストランをやればいいと思うの。食材もできるだけ自分たちの手で作ってさ(トオル師匠が居たところにあった数々の野菜はあれ海が作ったってことなの!?あんだけの種類を一人で栽培してるんだとしたら海さん農業の才能もあるんじゃねーか!)。
それなら光臣が裸になっても無問題だし!。