米澤 穂信『栞と嘘の季節』

高校の図書委員という関係性の二人の男子高校生を中心とする学園ミステリではありますが、内容的にはすこぶるビターという前作の記憶が残っているのでそのつもりで読みました。
なので前作ほどの「思ってたのと違った・・・」感はなく、松倉と堀川に加えて謎の美少女のトリオ編成で謎を追うことになるのでむしろ「学園ミステリ」感が増したという印象です。

タイトルの通り「栞」と「嘘」が鍵となる物語はなかなか物語の形が見えてこなかったけど、松倉がこの件に“どう関わっているのか”が明らかになったところからの畳みかけはすごかった。モブだと思っていた人物が実は〇〇だったと判明するたびに「そうだったのか!」とページを捲るスピードが速くなったもの。

「図書委員シリーズ」と名付けられたようですが、「図書委員」というからには限られた期間での物語ということになるよな。
とすればシリーズの結末はそう遠くはなさそうだけど、まずは続編を楽しみにしたい。