『シッコウ!!~犬と私と執行官~』

予想してはいましたが、結構な予告詐欺でしたよね。わたしが見た予告では「犬まみれ」と言っても過言ではないぐらいわんこがわらわら映ってたけど、本編ほとんど犬でなかったよね。織田裕二演じる執行官と伊藤紗莉演じる犬好き女が繋がるトリガーの役目でしかなかった。

って、わたしが引っかかったのはそこなんですよ。執行官・小原が吉野ひかりを執行補助者にしようと考えたのはひかりの“今の世の中には珍しいお節介”という人柄が気に入ったこともあるのでしょうが「犬要員」として、ということなんだよね?。タイトルにわざわざ「犬」を入れてるのはそういうことでしょ?。
で、執行官という職業を題材としてるからには家賃を払わないとか借りた金を返さないとか税金を納めないとか、毎回のゲストとしてそういう人たちを相手にするわけですよね?。で、そこに犬がいると。

今回は妻の故郷に戻って実家の稼業を手伝いますってことになって、わんこもそのまま一緒に引っ越しして元気ですという結末だったから良かったけど、毎回わんこがどうなるのかとハラハラしながら見るのはキツイ。なまじ相関図のなかに保護動物カフェなんてものがあるもんだから、いつかそのカフェで保護される犬が出るんじゃないかと思うと気楽になんぞ見ていられるわけがない。

今からでも遅くない。「犬」のことは忘れないか?。

織田さんの執行官は(織田さん比として)抑えめなところがこの先どう変わる(どんな本性を見せる)のかという楽しみも含めてイイ感じだし、鍵屋の六角さん以下織田さんとともに「執行」を担う4人は初回にして既に職人集団感ばっちりだし、初回は顔見せだけだった織田さんの同僚執行官が勝村政信渡辺いっけいに菅原大吉と公務員系曲者役者がずらりと揃ってるし、さらにそこに紅一点のケンティーと、ガチガチに手堅い役者揃いってだけでもう面白そう!!ではあるんだけど(今期この作品とハヤブサ消防団で目ぼしいバイプレイヤーあらかた確保されてしまったんじゃないか?)、冷蔵庫の野菜を買い取ってくれるほど気遣いができて人の好い「この大家さん」が「裁判所に訴える」しかなかったことにまでは頭が回らない、ただ目先の感情でモノを言う主人公が執行補助官として関わることになる「理由」が犬だというならば、繰り返すが今からでも遅くないから犬要素はなかったことにしてくれないかと強く願う。

ふつうに仕事を失い藁にも縋る思いで執行補助官になってしまった主人公が織田・勝村・いっけい・大吉という曲者オブ曲者な執行官に引っ張りまわされあらゆる「執行案件」に直面するお仕事ドラマでいいじゃないかと。伊藤沙莉ならばこの4人を相手にしても堂々と受けて立つだろうし。