『silent』第10話

こういう展開になるであろうことは予告の感じから予想できたけど、わたしはそこに「遺伝」という問題を絡めるんだと思っていて、それはシビアなやりとりが交わされるのではないかと、二人はどんな選択をするのだろうかと期待と不安が3:7ぐらいの感じでいたんだけど、「好きだから辛い」とかいうふわふわしたやつだったもんで「スンッ」となりました。

青羽が変わってないからそんな青羽と一緒にいると自分の「変わってしまったものの大きさ」を突き付けられるから辛いという気持ちは、耳が聴こえないというそりゃ確かに「大きすぎる」変化に比べたら変化のうちに入らないとは思うもののわたしにだって経験があるからわかるよ。わかると思うよ。
でも湊斗とは以前と同じように笑い合えてるわけで(LINE使って「想!」と呼ばれて振り向いたときの笑顔がバリいい笑顔すぎて笑ったわ)、機械に頼るな早く手話覚えろよと軽口だって叩けるのに、青羽に対しては辛くて無理ってんならもう二度と会わないようにするしかないよねというだけの話でしょ。それこそ湊斗のときと同じじゃん。

紬の無神経さもアレだけど、自分からちょっかいだして両手がふさがっててなに言ってるかわかんないことにショックを受けてどんよりモードになる想にはさすがにイラっとするわ。どんだけ不幸ヅラすれば気が済むのかと思ってしまう。
それは中途失聴者にしかわからない苦しみなのでしょうが、声が思い出せないとか「どうすることもできない」ことを言われるほうはたまったもんじゃないだろ。

まあ「好きだから辛い」ってのは本当なんだろうけど、その背景にはやっぱり遺伝のことがあって、でもそれを理由に「付き合えない」と言えば青羽はきっと「そんなのそのときになってみないとわからないし、もし遺伝してしまったとしてもきっとなんとなかるよ」と笑って言うだろうからあえて「どうすることもできない」ことを言って「俺が辛いんだ」ということを理由として納得させようとしてるんだろうけどさ、だとしたらまた相手の気持ちを先回りして決めつけてることになるんだよな。ほんと成長しねーなこの男。


このドラマには奈々と春尾という「比較対象」がいて、喧嘩別れしてから時間が経過して再会したときに「大人になったね」と言い合えるようになってた二人はこれからいい関係性を築いていけるように(そうなれたらいいなと)思うし、紬と想も少し距離と時間をおけば“大人になれる”んじゃないかとも思うけど、ドラマだから紬と想を奈々と春尾と同じようにはしないだろう。
双方の家族や友人といった周囲のひとたちは紆余曲折あってお互いの存在を受け入れ見守ってくれる体勢でいてくれてるわけで、そういう意味での障害はないといっていいよね。
だからあとは二人の気持ちだけ。
でも想に「また好きになどならなければよかった」とまで言わせてしまって、それがラス前回となると、これはもうお互い納得して「今度こそ二度と会わない」ようにするしかないと思うんだけど、どうすんだろうな。
紬の性格を考えると「つべこべ言わずに私が付き合ってくださいって言ったら「はい」って言えばいいの!」と(気持ちを)押し倒しそうな気がするけど、そこで紬の想いを受け入れたとしても想はどうせまたなにかあるたびにウジウジすんだろうなとしか思えないし、どっちに転んでもスッキリしなさそうな気しかしない。
でもここで思い出せわたし!わたしがなんのためにこのドラマを最終回まで見続けたのかを!(目黒蓮の顔です)スッキリとかどうでもいいだろうが!。