『相棒 season21』第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」

カイト君を犯罪者にしたことをわたしは未だに怒っているので、冠城君が4代目の相棒になって以降はほとんど見てません。
冠城君に罪はないけど、ストーリーそのものも質が落ちたなと思うことが増えたこともあるし、前シーズンなんて初回SPと冠城君最後の事件の前後編しか見なかった。
もう心はすっかり離れてるといってもいいぐらいだけど、でも亀山薫が「最後の相棒」として戻ってくるというならば見る。そりゃあ見るよ。

で、見ました。薫ちゃんが相棒に戻ってくると知った時からどんな再会になるのだろうかといろいろ想像しながら待っていたけど、その瞬間はアッサリ訪れた。
そして久々の薫ちゃんは変わってなかった。


劇中でどれぐらいの年月が経過してる設定なのかもはや解ってないんだけど、現実としては13.4年経ってるんだよね?。
開始から30分ぐらいまでは全然変わらんなと思わせてくれることが嬉しいやら、(演技力的に)ぜんぜん成長してないのかこの人・・・と戸惑うやらでフワフワした気持ちで見てたんだけど、1人の命と150人の命を天秤に掛けるようなことを言い出した瞬間ド真顔になりました。まさに冷水を浴びせられた感じがした。

救うのは一人の命か乗客の命か、という状況に置かれても、そこで「どちらを取るか」なんてことを考えないのがわたしが思う亀山薫だし、そこで「美和子ひとりならともかく他にも脅されてる人たちがいて、乗員乗客はみんな誰かの大切な人だから、それだけの命がひとりの命で救われるならば・・・」なんてことを一瞬でも考えたりしない薫ちゃんだから好きなのに、これがサルウィンで暮らし戻ってきた現在の亀山薫ということなのだろうかと、右京さんの相棒という座を捨てて目指した理想の正義の先がこれなのだろうかと、であればわたしは戻って来た薫ちゃんを受け入れることができるだろうかと不安になってしまった。

ていうか、飛行機に爆弾を仕掛けたという脅迫の内容について検証した結果、爆弾はブラフであろうと結論を出し、誰かが耐えられずに脅迫に従いアイシャに危害を加えることがないように“見張ってる”ところに相談事があると持ち掛けられその場を離れる・・・まえにアイシャの顔を見ておこうという“理由付け”して戻ったものの、アイシャは既に自害してましたって、これが右京さんが仕掛けた「フェイク」ではなくマジのガチのことなんだとしたら、飛行機に爆弾を仕掛けることについて亀山相手に推理を披露してた(その間に自害する隙を与えてしまった)右京さんマヌケすぎません?。
内調を使って関係者のなかに怪しい人物がいないか調べてもらってはいたし、アイシャ自身が独りになりたいと望んではいたものの、それを理由にアイシャから目を離したのは右京さんの落ち度と言うしかないと思うんだけど。

てかアイシャの“遺書”を長々と諳んじる右京さんはなにアレ?。写真として撮った遺書を見てる(読んでる)亀山の横でなに日本語通訳してんの?。
視聴者に対して聞かせるためのことであることは解るけど、亀山が読めない(言葉がわかない)ならともかくそうではないわけで、あそこはむしろ亀山君が遺書を読むのを黙って待っていてあげるべきだろうに、なんだこのクソ演出。


というモロモロの疑問点やら不満点やら違和感やらを払拭する方法がひとつあるよね。
先に右京さんが仕掛けた「フェイク」でないならばと書いたけど、これよこれ。
アイシャの死は右京さんによる犯人をあぶりだすための「仕掛け(偽装自殺)」で、だから刑事部のトップが「ことを荒立てずに」としつこいほど念押ししたし、そのうえで送りこまれたのがイタミンたちだった、ってなことならば納得できる。
頸動脈を切ったらあたりが血まみれになるからタオルで抑えるとはお行儀がいいとか言ってたけど、頸動脈からの出血があの程度で収まるはずないし(タオルなんて一瞬で搾れるぐらいぐしょぐしょになるだろ)、WSらしき番組で報道されたカットを入れてたけど、報道されたぐらいだから「実は生きてました」展開はないと思わせて、「亡くなった」ってことだけで続報が入ってこないと言ってたほうが肝だと思っとく。思っとくからね!!。
さらに言うと真の「反政府運動の女神」は宮澤エマちゃん演じるミウで、アイシャは身代わりでしたー!と聞かされて「な、なんだってー!」とびっくりする準備もしておくからね?。