『初恋の悪魔』最終話

面白いことは間違いないし、続きが気になることも確かなんだけど、でも、でもなんかズレてるというかかみ合ってないというか、どうにもこうにもはまらない(はま「れない」ではなくはま「らない」ってところを汲み取っていただけたら幸いです)という思いを抱き続けながら最終回を迎えましたが、鹿浜さんがせつなくて、無職と休職中だからってパジャマでダラダラして靴下を脱ぎ散らかす悠日と悠日の恋人である摘木さんを追いだして、「元の自分」に戻っただけと自分で自分に言い聞かせながら自分が住む家の模型を作り、悠日と摘木さんとことりんと自分の人形を配置し、森園も配置して、靴下をばらまき、回収したごみ袋をひっくり返してぶちまけたごみの中から悠日と摘木さんの引っ越し先を書いたメモを必死で探す鹿浜さんがせつなくてせつなくて、結局剥き方を教えてあげられなかったりんごをゴミ袋から拾って並べてるところに現れた摘木さんと夜の散歩をして、好きだと言ってもらえて、両手で顔を覆って泣いちゃう鹿浜さんがせつなくてせつなくてせつなすぎて、わたしもじくじく泣いてしまった。

このせつなさだけでいい。
隣家の人間をシリアルキラーだと疑いその動向を探っていた鹿浜さんが、自宅に凶器をコレクションする鹿浜さんが、初恋を知って「悪魔を殺せるのは悪魔だけだ」と言いながら悪魔を殺そうとして、そんな鹿浜さんが『真実』はどうあれお別れを言いに来てくれた摘木星砂さんに「ぼくはもう大丈夫です」と、笑ってそう言えたことでわたしは満足です。
最後は「マーヤのヴェールを剥ぎ取れ!」で終わったことをこんなに嬉しく思えるとは。

鹿浜さんたちの戦いはこれからも続く!!。