『ケイ×ヤク』最終話

続編に含みを持たせる俺達の戦いはまだ終わらない!なのか、そこまで描き切る能力(とハッキリ言ってしまおう)がなかったがゆえの消化不良で寸止めなのか、判断しかねるところではありますが、別荘に突入する前の星を見上げる→獅郎の装備を整え直すという流れからの一狼主導での(←こことても重要)おでこゴッチンコがまさに『尊い』というしかない瞬間だったんでとりあえず大満足である。

回を重ねるごとに増していく犬飼くんの美しさ(それを引き出すための展開のアレコレ)に対し鈴木くんはアクション系の見せ場があるわけでもなくひたすら耐えるばかりであることを不満に思ったりもしたけれど、獅郎の後頭部にガシっと添えられた一狼の手が完璧オブ完璧すぎて今回の鈴木伸之も終わってみれば最高であった。

おまけに平田満が!殺し屋なんだと思ったのにシレッと小道具を用意したり状況を作るだけで自分は手を汚さずに見てるだけ、いや食べてるだけってマジ怖いっての。

虫けらどもの感情を煽って殺し殺されるのを“愉しんでいる”ってふうでもないんだよね。幸子が自死するならすればいいし、一狼が匡を殺すなら殺せばいいと、そのつもりでこの場を用意したけど、どちらも失敗に終わっても顔色一つ変えずにただその場から去るだけ。
それは「この件」について自分の関与を示す証拠など一切ないという自信があるからだろう。替え玉にする“犯人”と恐らく爆弾の材料を用意したわけだから思いっきり関与しているにも関わらず、自分は“無関係”であるから今頃になって蠅が二匹飛んでいても目障りとは思えど積極的に潰そうとはこの時点では思ってないんだろうね。

でもこの人は自分の手は汚さない主義ってわけじゃない。必要ならば自分の手で殺す。
あのあと林は山田によって処分された・・・のかなぁ。山田と林が大須親子を喰い物にしてたというけど、総理でなくなった大須はもう用済みだろうし山田にとって林と「組む」理由もなくなったならばあのあと首をサックリいってるかもしれないし、爆破テロ事件の「真犯人」であることを突き止めた二匹の蠅が再び自分のところにやってくる “愉しみ”のために林を生かしておくことも考えられる。いずれにしてもなんだよ結局平田満がラスボスなんじゃないのさ!。

ここまで散々引っ張った爆破テロ事件の「真相」、4人の当時中学生が事件にどんな関わりを持っているのかについて、ほんの数分の「過去シーン」で説明されちゃったのには驚いたけど(いい意味でね。匡あたりに言い訳がましく語らせることもできただろうけど、簡潔な説明で良かったよ。しかし匡はマジモンのクズだな!)、眞島さんのフォローもしっかりあったし莉音さんのフラグもおまけで回収されたし、おまけに総理と獅郎の関係も綺麗に仕舞ったし、あと1話でどうすんだ?と思ってたけどなんだかんだでまとめてみせたなー。

正直ストーリー的には期待外れだったりするけど(もっと面白くできそうなのに全体的にモタついてた)、演技・ビジュアル的に思いがけず相性がよかった鈴木・犬飼コンビの魅力だけで毎回楽しく見られました。なので続編に期待します。明確な「悪」を演じる平田満ももっと見たいし!。