『アバランチ』

わざわざ新枠、それも月9から続いての2時間連続になるところにぶっこむくらいだからあらゆる意味で実験作になるのかと思いきや、既視感1000%の仕置きモノで驚いた。
警察が隠蔽した悪事や警察では対応できない悪人を非合法な手段で成敗する組織・集団があって、メンバー(実働部隊)の中心は元公安や元自衛官で、凄腕ハッカーがいて、トップの司令官は警察官で、最後は悪人が自白するのをネットで生中継って、最初から最後までなにもかもどこもかしこも目新しさ一切ナシって逆にすごいわ。

総理のオトモダチのクソ息子が磯村くんなんで、これは息子共々抹殺もしくは島送りにするジョーカー的なオチがくるのではないかと期待したけど「ネットで中継してますよ」というまたそれかパターンで、じゃあクソ野郎だけど(なんか突出したスペックがあることが判って)アバランチ入りしちゃうから磯村くんなのか!?と思ったら父親は逮捕待ったなしだけど息子の“その後”については特になにも描かれないこともびっくりだし。尋問されたときに「お前らの顔覚えたからな!」っつってたけど、そのまま逮捕させちゃって大丈夫なのかと。

なにが大丈夫かと言えば正体バレのことで、渡部篤郎がわざわざ木村佳乃の職場まで出向いて「いつでも内調に戻っておいで」と言ったのは木村佳乃がやってること、アバランチ木村佳乃率いる裏組織だと「わかってる」からだと思ったのに、次回予告で「なんとしてもアバランチの正体を突き止めろ!」と怒鳴っててアバランチの正体しらんのかい!となったんだけど、となると磯村くんに思いっきり顔見せたのはマズいだろう。

高橋メアリージュンが残って銃突きつけてたし、千葉雄大くんに「あとは任せた」と言ってたからそのときになにがしかの方法で「硬く口止め」したのだろうと想像はできるけど、アバランチの情報を寄越せば罪を軽くしてやると『国』が取引を持ち掛ければ(そしてその情報を元にアバランチの抹殺が保証されれば)このクソ野郎は喋るだろとしか思えんので、だからこそ特に千葉くんの“仕事”は見せて欲しかった(磯村くんを残してヤクザの事務所に行って立ち回りして次のシーンでマスクを手にする綾野剛という流れだったんで、そのマスクは「あとを任された」千葉ちゃんが作った磯村くんのデスマスクかと思ってワクワクしちゃったわ)。


とはいえこの手のヤツが嫌いではない、いやむしろ好みであるわたしなので面白かったんですけどねw。映像の質感・色味とアクションはよかったし。日本刀の利点を全く活かせないヤクザはポンコツすぎて笑ったけどw。
(ていうか監禁されてる人を救出すべく暴力団事務所に乗り込む綾野剛たちが今わたしが必死でストーリーを追っている「ジャッジアイズ」というゲームの八神さん一行に見えてしまって、まさかこれがジャッジアイズ脳・・・!?と思ったりw)

そんな感じでストーリー(脚本)的にはさして期待はできそうにないけど、ジャンル的に嫌いじゃないので引き続き見るつもり。
アバランチメンバーの役者とキャラは目新しさがなくとも安定感はあるし、福士蒼汰もMIU404で言う岡田健史ポジションと思えば居てもいいかなってなところだし。まあ九重ほど愛せるキャラに育つとは到底思えないけど。

この先もアバランチが明るみに出す「犯罪(者)」が警察、ひいては権力者たちが関与している案件になるかはわからないけど(木村佳乃の恋人が公安時代の綾野剛の上司で初回冒頭の爆破により命を落としたのであろう駿河太郎らしいので、アバランチを作った目的もしくはキッカケはその件にあるのでしょうし、となれば最終的には警察内部の悪を暴くことになるだろうけど、木村佳乃の上にいる所謂「黒幕」が誰かってことが肝かな。ここで北村有起哉が出てきたらテンション爆上がりするんだけど)、とりあえずゴリゴリの悪人で安藤政信を出してくれたらわたしが喜びます。白塗り野郎を上書きさせて。