『今ここにある危機とぼくの好感度について』第2話『あのときキスしておけば』第1話

ここはあえて一緒にして感想を書きたい。


松坂桃李すげーな。


なぜならこの一言がいいたいから。


「今ここにある~」の初回を見たあともこの松坂桃李は素晴らしい!と思いましたが、「あのとき~」と続けて見たらとにかく松坂桃李すげーなとしか言いようがない。

残念なイケメンと言えば岡田将生が結構な勢いで走ってますが、松坂桃李の「残念感」はそれとは次元が違う。
両作品ともイケメン感など欠片もない、ただただ「中身空っぽの男」と「オタク」でしかない。
売れっ子漫画家が連れて歩くのに恥ずかしくないようにと金に糸目をつけず見立ててくれたスーツ姿はカッコイイのよ。
場末のスナックを営むおばさんに「キャーキャー」言われる“イメージだけで生きてきたアナウンサー”としても納得でしかない。
でも、というか、だからこそ、というか、そこにはイケメンと呼ばれるに相応しい外見など「無意味」にしてしまう底なしの「残念感」があって、今期の松坂桃李はとにかく「すごい」。

前者は今のところ脚本・演出・演者(演技)全て文句なしの出来なのに対し、後者はなんていうか・・・狙い?が透けすぎててあんまり好きな感じではないのだけれど(入れ替わりなどせずに売れっ子だけど孤独な漫画家とその漫画家の作品を愛するオタクがひょんなことから雇い主とパシリという関係になるラブコメでいいのに)、それでも「この松坂桃李」は見る価値がある。
まあ、今のところは、だけど。

今ここにある~とセットで楽しめた初回でしたが、それは麻生さんの漫画家とオタクとーりのコンビが関係性含め「良かった」からでもあるわけで、それが井浦新の「おっさん」というフィルターが加わったときに果たしてどうか?。
漫画家は「死亡」してるわけで、そういう意味では『入れ替わり』ではなく『乗っ取り』というべき状態だし『もとに戻る』というゴールはありえないわけで、今現在井浦新が演じる清掃員の“魂”はどこでどうなっているのかを含め、物語としても楽しめるといいな。ダメでも今ここにある~があるから!という逃げ道があらかじめ用意されているので気が楽です。

で、その今ここにある~は論文不正データ問題が「縦軸」になるのだと思っていたので、2話で早くも鈴木杏ちゃん演じるみのりさんが退場してしまったのには驚いたけど、それはさておき池田成志ですわ。さすがの変人っぷりというか濃過ぎな(笑)。

池田成志の暴走があらゆる意味で酷すぎるけどこれどうなる(どうする)んだ?とニヤニヤしながら見ていたら、そもそも(教授陣の名前がわからないので役者名で書くけど)鈴木杏が実名顔出し告発を決意した理由の一つは国広富之が不正問題を調べる調査委員を引き受けてくれる(ちゃんと調べて公にしてくれる)からで、でもその国広富之が倒れてしまい、後任が決まらないので変人・池田成志に話が回ってしまい、言うことを聞かない変人・池田成志の扱いに困っていたところを大学を批判する学生(新聞部)の決起集会で盛り上がりすぎて松坂桃李に延髄蹴りをお見舞いしたのを潜入してた週刊誌に撮られ、池田成志を調査委員から降ろすことができて大学は大喜び、不正問題も調査委員に復帰した国広富之を買収することによって「問題なし」となりました。全て松坂桃李のおかげです、ありがとう!という胸糞アクロバットな結末となり、その胸糞悪さを含めて面白かった。

でもね、すごいところはこのあとですよ。
顔出し実名告発したのに「負けた」みのりさんを神崎は呑気な顔で見送るんだけど、またメールとかしていいかな?とマジで呑気というか、あたま空っぽだなという発言をかました神崎くんに「・・・ダメだよ」というみのりさんのこの表情!これがまあ凄かった。
変人・池田成志鈴木杏演じる木嶋みのりを「あの女は70年代のニオイがする」とか言っててなんだそれ(笑)と思いながら笑ってしまったのですが、この「・・・ダメだよ」のみのりさんは確かに70年代の女のニオイがしたわ。

で、みのりさんとこんな「別れ」をしたというのに、ゆるふわ彼女とふわとろオムライスを食べる(“選択”するのはその程度)主人公・・・というオチまで今回も面白かった!。