『今ここにある危機とぼくの好感度について』第1話

なにこれ面白い!!!!!
「脚本:渡辺あや」と「NHKの土ドラ」ってところに期待はしてましたが、思ってたのとは違うサイズのボールがぶっ飛んできたというか、サッカーで言うとキックオフ直後に3タッチぐらいでゴール決まっちゃっておかしなハイテンション祭りモードになっちゃう感じの「今のなに!?」というおもしろさなんですけどこの表現で伝わるかなぁ?。

キャストに並んだお名前を見て松坂桃李の脇を固めるおじさんたちの映画かよ!?と思うほどの豪華さであり舞台かよ!?と思うほどの濃さっぷりに戦慄いたわけですが、その豪華で特濃のおじさんたちが期待通りの腹に一物も二物もあるっぷりを開始直後から発揮していて、この真ん中に桃李って、だ、だいじょうぶですかよ・・・・・・と一気に(主演に対する)不安が増したんだけど、これまた登場した瞬間から松坂桃李演じる主人公が「何か言っているようで何も言ってない」アナウンサーとして輝きを放ちまくっててwww、この「何か言ってるようで何も言ってない男」が最高すぎてサッカーで例えると前半だけで5-0ぐらいの「勝った感」。なんでサッカーで例えてんのかわかんないけど(それだけおかしなテンションだということで)。

ていうかこの主人公の設定がマジで秀逸すぎる。「何も言ってないのに何か言ってるつもりの男」ではなく「何か言ってるふうを装いつつ何も言ってない(言わない)ことを身上としている男」であるってところが。
このタイプこそ違えどどいつもこいつも希望要望を通し叶えるために政治力や駆け引きでもって「立場」を築いてきた海千山千たちを相手に「何か言ってるようで何も言ってない」ことを処世術、生き方としている男がどう立ち回るのか、『強い』主人公ではなく(いや、この伏魔殿のなかでずっとこの「中身のない男」を貫けるならばそれはそれで「強さ」だと思うけど)フニャフニャの人間がこのドラマの中心にいるというそれ自体が面白い。

そしてそんなフニャフニャ主人公に対して大学のスター教授の不正を内部告発するポスドクとして鈴木杏!。主人公と並ぶ役としての「軟」と「硬」のバランスもさることながら、ここに鈴木杏を持ってくるところがダメ押しすぎる!!。素敵なお店で待っててくれた神崎くんから持ち掛けられた「取引」を断固拒否する「言葉」の強いこと!!。

「権力持ってる人って、見下してる人に対して想像力がないよね」

「いいね」ボタンを割れるまで連打したい!!!!!。

そしてこのやりとりを「自分には非がない」ことを証明しなければならない時のためにと「録音」し、「僕に非はないですよね・・・?ないですよね・・・?」と保身することしか考えない主人公(この行動ひとつでこの主人公が「どんな人間」なのか解るってなもんよね・・・)に対し、録音されたポスドクという弱者の叫びを聞いて大学のトップである大学総長の松重豊と秘書という末端職員の安藤玉恵が涙を流す・・・という、この1話の〆が絶妙な面白味すぎて、この作品がどこへ向かうのか、もうワックワクしかありませんっ!!!。