『天国と地獄~サイコな2人~』最終話

日高陽斗と望月彩子が入れ替わったのは「母親の願い」であり、入れ替わる相手が望月だったのはやはり『運命』だったのだ、という感動的な空気を最後にもう一度入れ替わらせることで、それも紙袋の石がピカーと光るというコントみたいな演出でもってぶち壊したのにはあっぱれ!となりましたが(階段落ちとはなんだったのかとw)、日高陽斗は強者(持てる者)であるがゆえに弱者(持たざる者)の気持ちがわからない「ある意味サイコパス」ってだけかー。

それをやっぱり死ぬほどカッコよかった北村一輝のセク原改め河原が「またお兄ちゃんから奪うのか?」と、「この殺人はお兄ちゃんの声じゃないのか?。立場の弱い人間がいかにたやすく奪われ続けるのか。そして立場の強いヤツらも最後はこういうふうに自分が奪われることにもなる。そう言いたかったんじゃないのか」と、そして「汚い殺人だけど声は声だ。お前にその声を奪う正義はあるのか?たかが女一人のために!」と突き付けるのに痺れつつ、さらに汗だくで飛び込んできた望月に「あとは任せた」と肩ポンしたのに溶けつつ、それでも崩すことができなかった日高に「私に私の正義を守らせろ」という望月の訴えが届いたのは、日高陽斗が望月彩子であったから、なのだろう。

捜査方法に問題はあれど入れ替わりなどまったく知らないセク原が「東朔也の存在」と「日高の目的」にたどり着くことができた。でも入れ替わりがなかったならば『日高を落とす』ことはできなかっただろうってことで2人が入れ替わった(ドラマ的)理由は充分納得ですが、決め手になったのが「東朔也の自供映像」ってのもこの作品ですら“ご都合映像”に逃げるのか・・・というガッカリ感が否めません。SDカードを巡る陸の心の動きはとても見応えあったけど。

でもまあつまるところあーだこーだと考察するドラマじゃなかったってことだよね。素直に「ダークヒーロー・綾瀬はるか」と「気は強いけどかわいい女刑事を演じる高橋一生」を堪能し、柄本佑の陸にときめいたり切なくなったりし、溝端淳平の八巻(と個人的には馬場徹の富樫さんも)に癒されてればいいだけだったのに勝手にあれこれ考えて考えて「わっかんねえええええええ!」となってたわたしが見当違いしてたってことなんですよね。
そういうことなら北村一輝に対する野間口徹の「先輩」をもっと早く入れてくれよクソクソッ!!。つーか野間口さんまで最終回でいきなりカッコよくなってて笑ったわw。


ともあれ見当違いの考察含め3か月間楽しませていただきました。
今度の高橋一生サイコパスと知って宇宙まで突き抜けたワクワクは「北村一輝に取り調べされる高橋一生(白シャツ)」で成仏できましたし。
つーかこれ『サイコパスを装う日高陽斗を演じる高橋一生』なんだよね。ダイレクトにサイコパス演技なのではなくサイコパスを演じる男ってのは結構なピンポイント設定なので、これはこれでヨシ。ついでに坊主頭まで拝めたし。ていうかムショに九十九もいて笑ったわw量刑が軽い犯罪者が収監されてるってことなんだろうけど、どんな縁だよとw。