『青きヴァンパイアの悩み』第6話

青ヴァンを卒業するために女の血を吸えと先輩ヴァンパイアからヤイヤイ言われた蒼と葵は
どうやって女の血を吸うか→モテなくては→モテるためには男らしさが必要
と周囲に言われたことで「男らしさセミナー」に出向き、リストラされたことを家族に言えない八角さんと出会った。

というのが前編で、八角さんが家族にリストラされたことを言えることが今回の話のゴールになるであろうことは予想できたけど、八角さんが男らしさセミナーに通おうと思ったのは「自分にはもったいないほど素晴らしい妻と娘を守るために強くならなきゃならない」と思ったからで、なぜ強くならなきゃならないと思ったかと言えば「会社がコロナによる業績悪化で“誰か”をリストラしなきゃならないとなり、優秀な君ならすぐ再就職先が見つかると言われ嘘だとわかっていてもリストラを受け入れてしまった」からで、そんな事情であることを知った蒼と葵はセミナーに遅刻した理由を詰問された八角さんが『本音』を爆発させるところに妻子を連れていくという形でアシストすると。

ここまではよくあるドラマでしかないんだけど、このドラマの良いところは蒼に言われたからでも妻子に言われたからでもなく八角さん自ら『強さとはなんなのかもわからないで強くなろうとしていた』ことに気づいたところ。そして妻子に正直に自分の状況と気持ちを打ち明ける八角さんの「強さ」に対し男らしさセミナーの講師(なつぞらの番長こと板橋駿谷さん。役はアレだけど求められているものをしっかりと表現してらっしゃった)以下セミナー参加者たちが拍手を送りながらも八角さんの強さを「正解」とは描かないところなのよね。

八角さんの強さは八角さんにとっての強さであって、それは万人に通じるものというわけではないよね。八角さんにとっての強さがあるように、講師には講師の、参加者たちには参加者の「強さ」がある。それをセリフにして言わせることをせずに「あなたの強さは素晴らしい」と認めることにとどめることで「それぞれの強さ」を考えさせる作りであるところ、その心の距離感がわたしがこのドラマを好きだと思う理由です。

娘から誕生日プレゼントを指定されてるのに手編みで何かを作ろうとしているのは金銭的余裕がないからだろうと思わせつつ、「PS」として蒼と葵に高クオリティの手編み手袋をお礼として贈り“編み物教室始めました”というオチまで心温まる話で今回は満足。

と思ったら、「青ヴァンを卒業するために「女」の血を吸わなきゃならないのはなぜなのか?」「これからはニューノーマルとして「昔からそうだから」という考え方は改めるべきだと思う」と先輩ヴァンパイアに真っ向から意見する葵と、「お前からもよくいって聞かせろ」と言われるも「お言葉ですが僕も葵と同意見です」と返した蒼は『追放』を言い渡されてしまったと。
さらに今回は常連客の未亜が「体調不良のマスターににんにくサプリを強引に飲ませ、ぶっ倒れたマスターを冷たく見下ろす」という不審な行動を見せたわけで、まさかのヴァンパイアハンターだったりしちゃう?。

・・・ってな感じで不穏な空気のなか次回へと続くかー。ここへきてペシカ(桐山漣くんがそこにいるのでついつい「猫ちゅわ~~~~~~~~~ん」と言ってほしくなってしまうw)という萌え要素をぶっこんできたのはこれから話が重くなるのでその中和剤として・・・ってなことだったりしないわよね?。