恩田 陸『ドミノin上海』

ドミノin上海

ドミノin上海

  • 作者:恩田 陸
  • 発売日: 2020/02/04
  • メディア: 単行本


前作(ドミノ)の表紙のデザイン、タイトルのフォントとか鮮明に覚えてるし、東京駅を舞台に大量の登場人物たちがそれぞれの目的や事情や思惑でもってすれ違い、そこでちょっとした手違いが起こり、それによりそれぞれの状況がおかしなことになっていく・・・的な話だったよね?という記憶もあるんだけど、具体的にはどういう話だったっけ?と思い出そうとしても思い出せず、面白かった記憶はあるのに内容思い出せないって・・・ていうか前作っていつ読んだんだっけ?と発行日を調べたら2001年って、2001年!?およそ20年前!??。じゃあ覚えてなくてもしゃーなし!。

ってなわけで、それならとりあえず読んでみようと、読んでるうちに思い出すだろうと、そんな感じでページをめくり始めたわけですが、いきなりイグアナのダリオが死んでしまったってんで呆然。だってダリオとへんてこりんなホラー映画監督だけは覚えてたもん!(監督の名前は忘れてたけど)。
しかもダリオの死に方がまさにホラーというか、おいマジかよ・・・・・・・・・と言うしかないやつだもんで、そこで読むのやめようと思ったよね・・・。私は人間に関してはどれだけ残虐に描写されようが全く平気ですが生き物がひどい扱いを受けることに耐性がないもんで。
でもダリオがまさかこれだけで終わるはずがないし、登場人物にパンダがいるんでパンダが出てくるまでは読もうとさらにページをめくること2時間。最後まで一気読み(笑)。

アウトローパンダ・厳厳かっけええええええええええ!!!
そしてさすがダリオ。俺たちのダリオは死してなおダリオであった。
あと犬。パンダ対犬。

これはぜったいに内容を知らずに読まねばならないタイプの作品であり、ネタバレなしに感想を書くこともできないタイプの作品なのでちょっと考えた末の↑この三行ですが、でもこの三行でだいたい感想言い終わった感もある(笑)。

随所に「ねーよ(笑)」というツッコミ展開があって(読んでるうちに前作もこんな感じ(ノリ)だったなと思い出してきた)、完全なるコメディではありますが、作中で描かれる犯罪行為が前作と違い人間に危害を加える種類のものではないのでよりコメディ感が強いというかドタバタ感が増していて、心置きなくドキドキハラハラそして笑える作品でした。面白かったー!。