なんだよなんだよ、染谷信長いいじゃないか!。
初夜をすっぽかしてなにしてたのかと思ったら「バケモノ探してた」ってところまではマジのうつけなのかなんちゃってうつけなのか判断できなかったし、お腹が空いたという嫁に懐から干しだこ?を取り出して食べさせるところはなんだよ可愛いじゃねーかってな感じだったけど、嫁に迎えた女を父親に紹介しに行くのに引き出物として「広忠の首」を持参しニッコニコで献上して(むしろ嫁は口実でこっちが本命だろう)(首桶が出た瞬間、信長が嫁に紹介したこ汚い三人の手下が「なにをした」のかが解り、初対面の嫁にどんなつもりで三人を紹介したんだ・・・と怖くなったわ)、それが純粋に「父上を喜ばせたくて」「褒めてくれると思って」のことで、それなのに状況を考えろバカと怒られたもんで子供を蹴散らし嫁に怒鳴るってんで、コイツやべえ感が一気にMAXまでいったもん。これなら髑髏盃余裕で作りそう!ってな。
しかも首を落としたのは自分に懐いてる人質として預かってる子供の父親で、「父上に拒絶された」怒りの前では駆け寄ってきたその子に対し同情とか申し訳なさとか、そういった感情は一ミリもない、単なる邪魔者に対する「どけっ」の一言だったところがほんとヤバくて、でもその怒りは持続しないんだよね。屋敷に戻って帰蝶に鉄砲を教えてあげる信長は純粋に鉄砲の面白さを帰蝶に教えてあげたいんだろうし、興味を持ってくれたってんでもっと愉しませてあげたいんだろうし、そしたら「他の男の話」をするもんだからちょっと面白くない気持ちになって・・・と、そこにはさっき見せた激しい怒りはまったくない。むしろ優し気ですらある。どの瞬間も自分の感情の赴くままに行動してるってことなんだろうけど、そういう意味ではまさに「ピュア」なんだろうけど、極端すぎて怖い。
これは確かに新鮮な信長だし、帰蝶ともお似合いだし(むしろ沢尻さんよりも夫婦のバランス的にはいいように思う)、この恐怖感、この信長はわたしは好み!。
信長的にはなにをするにも(信長にとっては明確な)理由があるのだろう。だけどそれは常人には理解できない、理解しづらいもので、だから周囲は信長が何考えてんのかわかんないし、ゆえに「うつけ」と言うしかないんだろうな。そして信長もまた周囲がなぜ理解できないのか、理解してもらえないのか、わからないのだろう。
そんな信長にとって、長谷川博己が演じる明智光秀は理解者となるのか、それとも理解できないまま本能寺を迎えることになるのだろうか。
と、この歳で「わざと負ける」という処世術を身につけてる竹千代(そういうところ、すごくかざぽんになりそう・・・w)含め、信長(&帰蝶)パートはすこぶる面白く、対して十兵衛と煕子の出会いは期待したほどドキドキもワクワクもしなかったものの(花びらまき散らす照子がファンタジーというより電波に見えたのはちょっと不安になりました)まあ必要なものなのでいいとして(十兵衛が画面に映った瞬間「あれ!?今まで出てなかった!?」ってびっくりして時計見たら35分近く経過してて、主人公が30分も出てなかったのにそのことに全く気付かなかったことにわりとマジで驚愕しました)、仕事が手に付かない駒に至っては完全に不要でしょ。十兵衛とああいう別れ方をした駒のその後を描くのはいいけど(わたしはいらんけどね。興味ないから)、この回でやる必要はまったくもってない、と思うし、その尺をまるごと松平に使ってほしかった。