『仮面ライダーゼロワン』第15話「ソレゾレの終わり」

開幕から「敵」として物語を担ってきた滅亡迅雷の終焉という形でクリスマス前(というか年内ラストか)に衝撃を与えたいという意図はわかるけど、滅が死にイズが傷つき、そして迅もどうやら死ぬようだ・・・という劇中の盛り上がりに対しわたしの気持ちはどんどんと醒めていく・・・。

これまで同様社長秘書として社長が戦う現場で控えてるのは当然だとしても、なんで今回に限って攻撃を受けて吹っ飛んだ滅亡迅雷を見に行ってんの?。或人社長に報告しようとしたのだとして、ヒューマギアなら、いやイズの性能なら近寄らずとも遠隔で滅の様子を確認するぐらいできるだろうに、わざわざ近づいてニヤニヤしたのはなんでなの?。なんで笑ってんだよ!?って迅がキレてたけどほんとソレ。マジで「嘲笑」って顔しててどう見ても煽ってるようにしか見えないし、そりゃ迅も怒るわなと。
そして前回兄貴が目の前で腹に触手ぶち込まれた時はボケッと見てただけだし思いっきりボディに穴開いてんのにほっといたくせに、イズが攻撃されるとなると触手を斬って「修理しなきゃ」とパニくりながらもギャグはやる或人って、だめだもうこれ本格的に主人公が無理。

つーかイズをラボに運び込んでどうしようどうしようってやってるところへ副社長が現れてゴチャゴチャ言ってたけど、わたしの感覚ではヒューマギアの暴走による病院襲撃事件があって、そのイメージ回復のために映画製作に手を出すものの撮影現場で主演俳優をヒューマギアが銃撃するという事件を起こした時点で企業としての飛電インテリジェンスはアウトなんで、そこから名探偵だの宇宙飛行士だのの話を通常モードでやっておきながら今頃になって「わが社の危機」で「社長の解任動議」とか何言ってんだ?としか。

エイムズ総出でデイブレイクタウンに潜伏してる滅亡迅雷を一気に叩く作戦は結構だけど、滅亡迅雷の二人は「仮面ライダー」なのに不破と刃以外の一般隊員は生身に銃持っただけで何ができるんだ?と思ったそばから一撃で壊滅状態だし、ギーガーは一度も実戦で役立たせることなく2度も敵に使われてるし、そんなもん開発するよりも一般隊員も変身できるシステムを開発するほうが先なんじゃないの?って話だしさ、なにもかもが「なに言ってんの?」でしかなくって辛いわ・・・。
一般隊員を背後に控えさせ拳骨変身キメる不破さんは無駄にかっこよかったですけども。

ていうかさ、ヒューマギアは友達だという迅に或人が「友達を傷つけるようなヤツは友達なんかじゃない」ってなことを偉そうに言ったけど、迅は別に友達を傷つけようとしたわけじゃないじゃん。滅亡迅雷ネットに接続しハッキングして意識を操りはしたけど、滅はともかく迅はそれが「友達のため」だと思ってやってきただけで、それを「ハッキングされたら破壊しかない」という『飛電の都合』で『破壊』してるのはむしろ或人のほうじゃん。迅が傷つけた友達として「イズとか」って言ったけど、迅にしてみりゃ父親を殺されかけてるところにやってきてニヤニヤするようなヤツが友達なわけねーだろって話だろうが。「なんでイズを傷つけた」と言うなら「なんで死にかけの滅を見て嗤った」ってな話。

滅亡迅雷がやってることは悪事であり敵であることは否定しないけど、それに対する或人の言い分が「おまえが言うな」と思わせられることばかりだもんで、ほんと辛い。
もともと敵側にロマンを感じるタイプの特撮視聴者だけど、それは明確な正義があってのこと、その正義に対する悪にときめくんであって、これだけ正義側がいいとこ無しだと気持ちの置き所がなくなってしまうんで(滅亡迅雷に変わる敵となりそうなZAIAの社長は1000%だの999%だの言う人だし・・・)、わたしにとっての最後の砦である不破さんにはなんとかがんばってもらいたい。なにをどうがんばってほしいのかわかんないけど。