シロさんが「そういう話ならそうとはじめから言え」っつってたけど、まあその通りだわな(笑)。
でも「小日向さんたちと何度か食事行ったから(別のカップルと一緒でも)大丈夫かなと思って」というケンジは仕事が理由(二人は「弁護士の筧さん」に話がある)ではあるものの友達に「シロさん」を紹介したい気持ちもあっただろうわけで、だったらもうちょい店のセレクト考えろってのもまあその通りですわ。
周り男女のカップルだらけなのがその理由ではなく(ゲイとしての自意識が過剰すぎるシロさん的にはそれ以外の理由はないでしょうが)、ケンジがテツさんとヨシくんがシロさんに聞いて欲しい話の「中身」をどこまで知っているのかは分からないけど、それでも「気を遣う話」であろう(だから二人はいきなりシロさんの事務所を訪ねるのではなくケンジを介して事前準備をしようとした)ことはケンジならば察することができるだろうわけで、だとしたら周囲の目も耳もあるあんな店で、ってのはケンジのミスかなーと。雰囲気ゲイっぽい人たちが食事しててもわたしは別に気にしないけど(ゲイかな?ぐらいは思うだろうけど)、財産をすべて譲るために養子縁組したいなんて話をしてたら思わず聞き耳立ててしまうもの。
だからって(ゲイだからだろうがそんな話だろうが)シロさんの怒り方はないわ、というかケンジ目線で見てるから悲しくてたまらなかった。シロさんちっちぇー男だぜ。
でもシロさんはそんな自分のことをある程度はわかってるんだよね。ケンジとの関係性も客観視できてる。そしてそれを話せる「異性の友人」もいる(そこで視聴者はシロさんの「気持ち」を知ることができる)。ここいらへんの人間関係がすごく面白い。
そんでもってハンバーグおねだりで仲直りしようとするケンジに対しケンジの好物である桃を冷やしておいてくれるシロさんな!。朝ごはん用意してあるからとだけ言って桃には触れず、でもケンジはちゃんとシロさんのことを、シロさんの気持ちを解ってる。こういうのいいな、すごくいい。
上手くいかなかった食事会の翌日、テツさんとヨシくんを「自宅に呼ぶ」ケンジはきっと二人にそんなシロさんのことを誤解してほしくなかったんじゃないかな。自宅に呼ぶとなれば何も出さないわけにはいかないってんでシロさんはきっと何かを作ってくれると。オーガニック素材にこだわるヨシくんとそんな料理を食べ慣れてるテツさんに自作の料理を出すというプレッシャーがどれほどのものかわからないケンジの鈍感さはそれとして、「ほんとうのシロさん」を二人に見せたかったんじゃないかなーって。
で、そのテツさんとヨシくんを演じた菅原大吉さんと正名僕蔵さんのカップルすげーな・・・。特に僕蔵さんの「意識高い系ゲイ」がすげーのなんのって・・・。
そして「両親にはビタ一文渡したくない」の一言でその背景を想像させる菅原大吉の凄みよ。
世代を考えればテツさんのことを両親が理解どころか受け入れる姿勢すらみせなかったであろうことは想像に難くないけど、それにしたってここまで言うって相当なことがあったんだろうなぁ・・・。
以前両親の愚痴を言うシロさんに「シロさんは贅沢だよね」とケンジが言ったことがあったけど、それは「テツさんと比べて」って意味合いがあったのかな。
テツさんの「全財産を譲りたい」という希望を受け取る側のヨシくんもいろいろと思うところはあるだろうし、それでもこの二人は弁護士を立てて養子縁組をするという選択をしたわけで、するしかないわけで、そこに孤独を感じたし、シロさんがカヨコさんに語った「ケンジと別れて次の人を探すのが面倒くさい」ってのも結局は孤独になるのが怖いからなのかなーなんて思ったり。