『仮面ライダービルド』最終話「ビルドが創る明日」

ラビラビに宇宙まで飛んで行ける能力があるとか初耳なんですけど・・・なんて思う間もなく魔空間かと思った地球と地球の間の赤い亀裂・・・?のなかが普通に見慣れた風景で笑うしかなかったです(笑)。クライマックス感皆無(笑)。
確かエボルトが強すぎて倒せないからエボルトのいない新世界を創ろうと、でもそのためにはエボルトの持つ強大なエネルギーが必要で、だから赤い空間目掛けて万丈がエボルト連れて飛んでったと、それが前回までの話だと理解してて、万丈が自分の命と引き換えにそれをやると言っていたのはエネルギーを使い切るまで空間の中でエボルトを抑えておかねばならないからだと、つまり空間の中にエボルトを連れていきさえすればそれでいいのかと思っていたわけですが、え?新世界創るためにはエボルト倒さなくっちゃならないの?え?倒せるなら地球で倒せばよくない?。空間の中でエネルギーを吸い取られ弱体化してた+万丈が中からアシストしたから倒せたってことだとしても、倒せたってことは別の地球と融合する必要もなくなったってことにならない?。意味がわからなすぎる。
ラビットドラゴンがCG丸出し(しかも質の良くない)(その理由は予算と熱意どちらにあるのだろうか)だったことには目を瞑るとして、これエボルトの目的が並行世界にある二つの地球をぶつけて破壊することだったり自分が支配する新世界を創ることだったりで、戦兎と万丈はそれを止めるために、自分たちの地球ともう一つの地球を守るために戦ってるってなことなら理解が及ぶんだけど、そうじゃないんだよなぁ・・・。ヒーローと自称する仮面ライダーが「新世界」を創りだして、そこではカシラも幻徳も三馬鹿も内海も生きてたけど(ブロス兄弟・・・・・・)彼らは10年の間別の人生を歩んできた云わば「別人」で・・・って、ほんとにこれでよかったのか?という思いは残る。
火星からエボルトがやってきて、スカイウォールの惨劇が起きて、それから10年の間に国は三つに別れ戦争が勃発し、多くの、とても多くの人が命を落とし、それにより人々は哀しみを抱え苦しんでいるとして、だからといってそれを全部「なかったこと」にしていいとはわたしには思えないんだよね。しかも(舞台となっていた)地球単体で「なかったこと」にする、「スカイウォールが発生しなかった世界」に創り直すならまだしも別の地球を利用してだなんて、なんでこれが「解決」となるのかほんとうに理解ができない。
新世界にいる美空やカシラや幻徳や紗羽さんは共に戦った「仲間」じゃないんだよ?。
元の世界で生まれ育った万丈はエボルトの遺伝子入りの万丈だと、だから新世界で格闘家でありカスミという恋人がいる黒髪の万丈とエボルト万丈が同時に存在できている、ということであるならば、新世界の美空は確実に戦兎と万丈が「知らない美空」になるよね?。じゃあ元の世界の美空は?戦兎や万丈の仲間である沙羽さんは?元の世界にいたはずの人たちはどこへ行ったの?どうなってしまったの?。
みんな生きてて、元気で笑ってるだけでいいのかもしれないけど、子分に「いい嫁候補見つけたんで」と言われて初めて入った喫茶店で初対面だというのにぐいぐい迫るカシラなんて、ドルヲタじゃないカシラだなんて、それはわたしの知ってるカシラじゃないんだって。
ていうかエボルトという存在のない世界を創ったのならばエボルトによって作られた『桐生戦兎』という存在もまたなくなるんじゃないかと思うのに、なぜ「葛城巧」が消えたっぽくなってんの?(これについては新世界に葛城巧は居て、でもそれは悪魔の科学者ではないので戦兎の中に居た悪魔の科学者・葛城巧は居なくなったってことでいいけど)(でもそうするとやっぱり新世界に存在する人々は元の世界の人々とは違うことをより強調する結果になっちゃうよね)。
記憶喪失だった主人公にとって、ゼロから作り上げた「記憶」はなによりも大切なものだろうに、他人のそれを奪う道を選ぶことが最後まで理解できなかった。
自分から記憶を奪いヒーローとして育てた『敵』に「お前は俺が作った偽りのヒーローだ」と言われて「黙れ!」としか言いかえせないだなんて、この一年間は何だったのかと。
繰り返すけど別の地球と融合なんて方法を取らずに元の世界(地球)単体でのことならこの戦兎と万丈が「ここから」ナシタの常連になりマスターや美空と仲良くなり、カシラと三馬鹿とも友達になって・・・と、ここから改めて関係性を作っていくのだろうと、そういうことで納得できる(自分を納得させられた)かもしれないけど、こんなん元の世界関係なく別の平和な世界線(別の地球)に戦兎と万丈だけが移動した(逃げたという云い方はするまい)ように見えちゃうじゃん。
あらすじがなぜああいう視点でああいうノリだったのか、最後の最後に「そういうことだったのか!」とわかったことは驚いたし上手いこと考えたなと感心もするけど、でもスターク・エボルトがあらすじに参加したことなかったでしたっけ?(ま、まさかラブアンドピースのつもりの新世界にもエボルト(星狩り族)のDNAは潜入していたのだ・・・という、なんどやり直してもエボルトが存在してしまうシュタゲ状態に突入するとか・・・?)。最初からこの『仕掛け』を考えていたのだとすれば少なくともここにエボルトを関わらせることだけはしなかったと思うわけで、行き当たりばったりの手の平返しの連続だったこの作品に相応しいラスト、ということでもういいや。
新世界にひとりぼっちで孤独感マックスだった戦兎にとっては万丈が居てくれて、新世界のカスミは新世界の俺と付き合ってるからどうすることもできない万丈にとっては戦兎が居てくれてよかったねってことでもういいです。お金どころか身分を証明できるものを何一つ持たず世界にたった二人だけとか萌えるよねー!(ヤケクソ)。


ビルドの役者さんたちは総じて達者な方ばかりなので(水上剣星さんはいい意味で別枠ですw)、すぐどこかでお見かけてできることでしょう。1年間お疲れさまでした。