宮西 真冬『首の鎖』

首の鎖

首の鎖

祖母に続き母の介護に追われる独身女と妻の暴力に苦しむ男が出会い、男は妻を殺し女はそれを隠蔽しようとする・・・という物語で、男のほうも母親が認知症を発症したことが妻殺害の直接の理由となるので「介護」が鍵なんだと思いきや、結局不倫の話でまたかよー世の中どんだけ不倫してんだよー(この作品の前に読んだ作品も不倫話だったので)。
女が不倫をした理由のひとつには自分の置かれている状況、母親のために精一杯尽くしているのに誰にも、母親本人にさえ認めてもらえない孤独感があるのでそこはまぁ想像として理解できなくはないし、不倫という要素を抜きにすればいずれ自分が辿る道かもしれないので読みながらどんよりした気持ちにはなりましたが、オチ(妻の死体が発見される理由)があまりにもくだらないのでその馬鹿馬鹿しさに救われた感がありました。