『刑事ゆがみ』最終話

ああ、ロイコ事件の真相がこういうことであったと解った今なら弓神が人を刺した11歳の少女を叱れなかったことも納得だわ。警察官として罪を見逃す(なかったことにする)のみならず他人の人生を奪った弓神はあの子になんも言えないわな。
で、ものすごいサイコ野郎かと思ったらチンケな強姦野郎だった横島だけど、前回の二階堂ふみが家政婦やってた薮田さんを殺したのは横島なんだよね?。でも横島は法的に「死人」なわけで、それは弓神が文書を偽造したからなわけで、それについては時効を迎えたから罪には問えないとしてもじゃあ薮田さんの事件はどうなるんだ?って話なんだけど。横島が潜伏してたラブホの窓からロイコの絵が見えたってことは横島は逃亡し、ロイコ事件=横島の弓神への復讐はまだ終わってないし、だからこそ弓神は制服警官になってでも警察を辞めずに横島を追い続けるってことだと解釈はしたものの、横島の動きについてはそれでいいとしても薮田事件の始末をどうつけての弓神のこのオチなのか、そこが曖昧すぎてどうにもこうにもスッキリしないなぁ。
かつてはチンケな強姦野郎だった横島が、「ヒズミを守るため」という弓神のエゴで死者となり(これほとんど強要だよね)、そして弓神が仕掛けた「小説の模倣」を今再び模倣して今度は本当に殺人を犯したのだとすれば、弓神にはそれに対する責任があると思う。だからこそどんな処分を受けようがどんな扱いをされようが警察官で在りつづけるということかもしれないけど、ヒズミは全てを思い出しそして声も出せるようになったとなると『ヒズミを守るため』ってのはもう理由にならないよね。だから「これまで通り」の弓神でなんていられないだろうに、でも制服警官になろうが「これまで通り」の弓神だった。だからこそ弓神はゆがみなんだってことは分かってるつもりなんだけど、なんか割り切れないものが残る。
最終回一番興奮したのは短時間で自白させるべく手早く準備し「やる気」になってる多々木さんの眼鏡をスッと外してやる町尾くんの図、でした。すばらしい阿吽の呼吸感だった。
そして浅野忠信オダギリジョーと渋川清彦が連続ドラマで共演したこと。これには問答無用で胸が高鳴りました。