伊坂 幸太郎『ホワイトラビット』

ホワイトラビット

ホワイトラビット

巻き込まれ型のひとって特に小説や漫画の世界によくいるけど、今回の黒澤の巻き込まれっぷりは壮絶すぎだろ(笑)。
黒澤が関わっているからには「見えてるまんま」の状況であり話であるわけがないし、ていうかこれ伊坂幸太郎だし、だもんで当然そういうつもりで(そのヒントを探して)読んだわけですが、要素を片っ端から拾って軽やかにバシバシと嵌めこんでいく手腕はいつもながらお見事の一言ですが、泥棒仲間の二人組が関わってるとは全く思わず、あのわざわざ断ったうえでの「第三者視点」が!くそくそっ!!という感じ。
ていうかオリオン座のほうはともかくレ・ミゼラブル推しがひどくてですね、まぁ読み終わってみればそれが肝というか特大ヒントというか、無駄と思えたものも無駄じゃないというか、目くらましとして大層な役割を果たしてくれていたわけですが、個人的に今年はレミゼイヤーだったもんで『こんなところまでレ・ミゼラブルが!』という感じでもありました。年末年始にでも原作を読んでみようかなーとか思う気持ちが少なからずあったのですが、5年も掛かるなら手を出すのはやめようと思いなおしました。でも5年掛けてひとつの物語を読み終えるとかちょっと感動するよね、私にはできないけど。
そんなわけで、夏之目さんの「その後」がいつか読めるといいな。