『團菊祭五月大歌舞伎』七世 尾上梅幸 二十三回忌 十七世 市村羽左衛門 十七回忌 追善@歌舞伎座

亀三郎改め彦三郎さん梶原平三の美声に聞き惚れ、海老蔵さんの佐藤忠信菊之助さんの静御前の見目麗しさに悶え、寺嶋眞秀くんの可愛さと達者さに微笑み感嘆で満たされ、松緑さんのコストパフォーマンスの高さに打ち震え、そして菊五郎さんの酒乱芸を思う存分堪能できる楽しい昼の部ではありましたが、巳之助さんの扱いに心が痛んで仕方がなかった。團にも菊にも関係ないし、音羽屋預かりというだけでこの場に居るのでしょうからこんなもんと言われたらそれまでなのかもしれませんが、右近くんや梅枝くんのお役と比べちゃって、それこそ二人にとって團菊祭の舞台はホームなんだから比べることは無意味だとわかっていても比べてしまって、悲しくなってしまった。無意味を承知でもっと言うなら、これなら明治座に出たほうがずっとずっと良かっただろうにとまで思ってしまって、目と頭では楽しんでいるのに心は沈むというか、襲名披露に初お目見えという実におめでたい、まさにお祭り舞台であるのに、どうしてそういう見かた、考え方をしちゃうのかなーと、こういうの巳之助さんにとっちゃ余計なお世話で有難迷惑なだけなのにとわかってるはずなのにと自己嫌悪。
こんな感想なら書く必要ないんだけど、でもいつかそんなこともあったねーって笑って思いだせるように、その時のためにこの気持ちを書き残しておこうと思った次第です。