『おんな城主 直虎』第18回「あるいは裏切りという名の鶴」

次郎が直虎となったはいいけど家臣と呼べるのが愚鈍そうな六左衛門とチンピラみたいな直之、そして政次だけとかまさに井伊の終わりの始まりとしか思えなかったけど、メンツ的にはさして変わらないのに今の井伊は少数精鋭適材適所だよなーってちょっと感動したわ。裏切ったかと思いきや銭の犬らしい機転で殿のピンチを救う方久もカッコよかったけど(でもそのあとその一部始終をドヤ顔全開で語るのはやはりムロツヨシw)、なんといっても直之ですよ!!。デレて以降毎回直之株ストップ高なんですけど!!。こんだけ真っ当に真っ直ぐに直虎の騎士やってるのにラブ方面は欠片も感じさせないところがいい。直之のあくまでも男として家臣として直虎様を護る姿勢はブレない。殿の気性を理解し受け止めたうえで「ならばそれがしはしくじった時の備えをしておきます」っつって弓矢ビシイッ!とか之の字一人で先代時代の脳筋家臣たち何人分の頼りがいなんだと!。
一方ラブ方面を一人で背負う政次さん。例の井戸で「あいつの夢枕にでも立ち、言うてくれぬかのぉ、亀。危うくなるゆえ早く下がれと」なんて分かりやすすぎる独り言をつぶやいちゃった政次でしたが、そこへナイスすぎるタイミングで現れた直虎に「今更嫁にもろうて欲しいなどと言っても願い下げだぞ」ってなんという戯言!!!。亀へ話しかけている態で直虎を『あいつ』呼びさせてのコレですよコレ!!!。くっそ恥ずかしいんですけど!!!!!(握りこぶしで床殴りつつ)(そして家森さんが唱える「SAJの三段活用」を思い出さずにいられなかったw)。
政次の真意・本心は最期まで分からないままで、死んだあとで政次こそが井伊の、そしておとわにとっての竜宮小僧だったんだと理解される・・・ってなほうがわたしの希望というか好みではあるので、対視聴者としてはともかく直虎にはそれを知ってほしくはなかったかなーと思うのだけど(視聴者目線としては本心ダダ漏れだったわけで、それをわざわざここまで台詞で説明してくれずとも・・・と)、以前和尚が言ってたけど「本意を知られてはもう盾にはならない」だろうにこれからどうすんのかと思ったら『我をうまく使え。我もそなたをうまく使う』ってそうきたか。表向き立場も関係性も変わらない(変えない)のでしょうが、裏では「戦わないため」に協力・共闘関係となるってのは城主としての直虎がひとつ階段を登ることになるであろうことも含め面白い展開だなぁ。
でも微妙に“本心”は伝わってないんだよね。直虎は「おなごだから守ってやらねばと考えてるなら」と言ったけど、「おなごだから」じゃないんだよ「おまえだから」なんだよと、確かに「井伊を守る」ために味方から謀ってはいるんだけど、厳密に言うと「井伊のため」ではなく「おとわのため」であることは直虎には伝わってない。それなのに「我は直親の現身だから」と言い切られてしまった。それがわかっているからこその戯言、ということなのでしょうが、心のどこかにそういう気持ちというか未練、かな、それがあるからこそこういう戯言が口から出ちゃうとも思うわけで、やっぱり切ない政次と。
こういう展開(ここで直虎が政次の本意に思い至る)のために本来妻子がいる政次を独身設定にしたのでしょうが、さすがに政次の最期を改変することはしないだろう。今回でそこに至る大まかな道筋は見えたように思うけど、政次の本心が届いているようで届いてないことがその時どんなふうにわたしの心を揺さぶってくれるのか、楽しみすぎる!。
あ、そうそう、切ないと言えば政次がなつを気遣い渡したお土産の綺麗なお菓子が最終的に「政次の悪口を言うたけに貪り食われる」という結末を迎えたことも超切なかったわ(笑)。