山田 宗樹『代体』

代体

代体

人間の脳をデータ化して?抽出できる?技術が確立されてて、さらにその脳データを転送し日常生活を送るための「代体」と呼ばれるモノも作られていて、という設定で、通常は病気や怪我の治療のためにこのシステムが使われるんだけど、システム開発に関わった天才が「神」になるべく実験を開始するという言葉を残して死んだことで世界中の人間の自我が崩壊する危機に・・・的な?物語です。「?」多すぎ(笑)。
たぶんちゃんと読めばそれなりに理解できるように書かれているのでしょうが私の脳は理解しようとすることを端から放棄したもんで(笑)システム的なことは「???」だったし、恐らくそこが読みどころなのでしょうから作家の方には申し訳ないという気持ちではありますが、そこいらへんわからなくても(流し読みでも)最後まで面白く一気に読めました。
でも何が面白かったのかわかんないんだよなぁ・・・・・・。そんなに驚くような展開があるわけじゃないし(そういう意味では予想通りと言える)、特別魅力がある人物がいるわけでもない。むしろせっかく良さそうなキャラクターがいるんだからもっと動かしちゃえばいいのにと思ったぐらい、全体的に抑制が効いているという感じですらあるんです。それでも最後の1ページまであっという間に読んだ。読ませられてしまった。
何気なく読み流したガインの過去が、ガインの願いが物語のなかでこういう形で叶ったのにはちょっと震えました。この一瞬のために私はこの物語を読み続けていたんだなと思えたほどに。