- 作者: 月村了衛
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/10/07
- メディア: 単行本
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いや、主人公と思しき警察官が実は裏社会の人間と兄弟の杯を交わした警察の“黒色分子”ってなことで、そういう設定の物語なんだと思って読み始めたらなぜ裏社会の人間と兄弟になったか、二人を繋いだ人物の名前やらその事情やら所謂“それまでの話”がちょいちょい挟まれるもんで「ん?」とは思ったんですよね。それなんの話?とは思ったんですよ。普段であればそこでもしかしてこれ続編なのか?と思い調べるなりなんなりするんだけど、これは前作知らなくても面白くてですね、というか、恐らく今作から登場した人物だと思うのですが、物語で重要な役割を果たすインドネシアの若き実業家・ラウタンという人物が非常に魅力的でして、かなり早い段階で続編であることとかどうでもよくなってた。
中盤までは警察小説としての趣が強く、後半からクライマックスにかけては裏社会の仕事を描くノワール色になるので一粒で二度美味しい的な、まるでエルロイ作品のよう。
で、読み終わったらやっぱり思った。ちゃんと1作目から読んでおけばよかったと。
繰り返しますがこの作品単体でも充分面白かったんです。でも登場した瞬間からタイプ!!と思った「沈」という男の人間性も黒色分子・沢渡との関係性も、それはやっぱり1作目を読まなければしっかりとはわからないわけで(この作品だけでも察することはできますが)、なので1作目も読むけどでも二人の物語がいずれこういうことになってしまうということを知ってる上で読むことになるわけで、あーもう私のばかー!!。