- 作者: 神家正成
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2016/09/24
- メディア: 単行本
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自衛隊内部で起きた事件を捜査する話とくれば、古処誠二さんの「UNKNOWN」から始まるシリーズの印象が強く(朝香二尉大好き!!)、読みながらずーーーーーーーっとここに朝香二尉がいたらどんな感じなんだろうなぁ・・・と想像し続けてました。
自衛隊内部で起きた事件を自衛官が調べるという共通点だけで雰囲気とか全く違うのに、ついつい想像してしまうぐらい・・・物語に集中できなかった。
タイトルである七四式戦車で起きた事件というのは2つあって、現在進行形で調査中のものと事件関係者たちがまだ若かりしときに起きた訓練中の死亡事故、それが作中で同時に描かれるのですが、2つの事件がどう繋がるのかと興味を煽られる構成だし、さすがにこんなタイプの自衛官はいないのではないか?とは思いつつもとても・・・美味しい(と表現するしかない)主人公の上官をはじめ魅力的なキャラクターも多く、さらに私は人生で一度は総火演(陸上自衛隊の富士総合火力演習)を見てみたい!毎年スカパーの中継は録画して見てます!という程度ではありますが自衛隊の装備(そのもの)に興奮するタチなので、作中で結構な割合を使って描かれる“薀蓄”は有難い情報であるはずなのに、そこがどうも面白くなかったんですよね・・・。「小説」の部分と「薀蓄」の部分、虚構と現実と言うと表現としてちょっと大げさな気がするけど、そのバランスがあまり上手くなかったかなーと。それはつまり読み難かった、ということになるのかな。舞台設定もテーマもキャラクターも悪くないのに、私の好きそうな話なのに、どうもノリきれなくて残念無念。