『真田丸』第41回「入城」

この作品ではここまで何度も“対比”という手法が取られてきましたが、ついに大坂城に入城し秀頼様と対面した信繁改め幸村が早速父上譲りのハッタリかましてみせたことと、腕のいいアサシンだと思われていた二代目半蔵がやっぱり「全力で押し通る!」だったってのはその一環、ということでいいのだろうか。
あの伊賀越えは心底面白かったなーってのを含めこれはこれで面白かったんだけど、でも冷酷で優秀な二代目だと思ってたのがコレって、(忍者VS忍者というロマンはあれど)アクションという目線での佐助VS半蔵のレベルの低さも相俟って“この程度の奴”に清正はあっさり殺られてしまったのか・・・と思っちゃうんだけど(半蔵またもや代替わりしてる可能性もある?)、そこがこのドラマの清正っぽい気もするからまぁいいや。
徳川に消された清正はともかく三成も形部様も片桐さんも、もとはといえばお前らが追いだしたようなもんじゃねーか!(自爆という側面もあることは否定しませんが)ってのはそれとして、幸村と並んで城内を歩きながら大蔵卿が言ったもう誰もいなくなってしまった・・・ってこれ、だからこそ信繁は幸村としてハッタリかましまくれるんだよなー。もちろん三成は・・・・・・まぁアレとして・・・片桐さんも・・・・・・・・・それとして、形部様が生きていたならばそもそもこんな状況にはなってないであろうわけで、信繁がハッタリかます必要もないであろうわけで、そう思うと巡り合わせというものを感じずにはいられない。
この時代名前なんてそんなに意味はないのかもしれませんが、安房守の息子の名前を思い出せない(それも何度も)家康に対し、安房守の息子は入城に際し名を改めたってのもそうだし。
そしてその最たるものが大阪城天守閣をバックに再会した「茶々様」と「源次郎」だよなー。この場面の圧倒的な『運命感』といったら!!。
小汚い老人が厠に行って戻ってきたらばりばりの男前になってたり(城内にたむろしてる浪人たちが黒っぽい格好のなかで赤が際立つ着物を用意するとかこの演出上手め!)(これはやはり自称“あか抜けてる”きりのアドバイスだろうか)、父上の戦歴を「実際仕切ってたのは自分だ」とハッタリ決めてみたりとそこまでにも“カッコいい”演出はあったけど、再会した茶々様に対しゆっくりと膝をつく源次郎ってのが一番カッコいいってかエロかった。九度山でバカスカ子供作りながらも性的な意味での男を感じさせることはなかった信繁なのに、この場面は強烈に「男の貌」をしてた。それはやっぱり茶々様がそこにいるから、なのだろう。きりにも春にもたぶんお梅にもこんな貌はみせない。茶々様だからこそ引き出せる源次郎の貌がこれなんだ。
しかし信繁改め幸村よ・・・ハッタリかますのは結構だけど相手の気持ちを考えろ・・・。
と速攻で修理のメンツをつぶす幸村を見て思わずにはいられませんでした・・・・・・。お前三成の側で何を学んでいたんだと・・・・・・。
まぁもはやそんな気遣いしてる場合じゃねーってな状況ではあるのでしょうが、兵糧についての提案を修理からしてもらう(事前に修理に話しておく)ってな形にするだけで味方にできるのに、せめて提案をしたあと「大野様はどう思われますか?」とワンクッション入れるだけで印象全然違うだろうに、なんでそれができないかなー
って三成に対して何度も何度も抱いたもどかしさ再びすぎる・・・。
昌幸のハッタリと三成の交渉下手というか人付き合いの下手さを受け継いでるとか最高だけどヤバい感じしかしない・・・。
ていうか三成・形部様・信繁のトリオだったものが次回から幸村・又兵衛・勝永のトリオになるってことなんですかね?
・・・・・・ヤバい感じしかしないー!!(前者の生徒会感に対し後者の不良感といったらw)(いやでも岡本健一毛利勝永は顔面がカッコよすぎてムファッ!!とかいう変な声が漏れましたw。華のあるビジュアルを未だに保ち続けてくれてて男闘呼組がだいすきだったわたしとしては嬉しい限り!)。
あと父上から受け継いだと言えば「今の豊臣には大軍を率いることができるまともな武将がいない」「此度の戦、血で血を洗うようなことにはなるまい」などなどフラグ立てまくるお兄ちゃんですよ!!。
これまでここぞという局面には常に時流を見極めてきたお兄ちゃんなのに、ここへきてまるで父上を思い出させる痛恨の読み間違いをするとか!!。
まぁこれはお兄ちゃんに限らず徳川方の大名はほとんどそんな認識だったのでしょうが、身内が豊臣方についた大名はそうはいないと思うわけで、お兄ちゃん・・・引き続き頑張れ・・・。
でも兄上立派になられましたよね。跡継ぎをどちらにするか決断する兄上はもはやどこからどう見ても真田の当主。こうの子である信吉を跡継ぎにすることについて「立場が人を育てる」と言う兄上ですが、他の誰でもない兄上こそがその体現者ですよね。
九度山を脱出して大坂城入りすることについて信繁が兄上に対して申し訳ない的なことを言ったり考えたりする描写が一切ないことが気になるというか、兄ちゃんのことはどう考えてんだよ?と問いたい気持ちがあったんだけど、信繁の心中はそれとして兄上はもう真田家の当主として、大名としてしっかりとした土台があるので信繁がどう動こうが兄上は大丈夫だと思えました。真田家の正妻として見事としか言いようがない意志を示した稲もついてるし!。
・・・まぁ姪が連れてきた結婚相手の前で「作兵衛の乳を吸っておったのに」とか言っちゃったのはアウトだけど(笑)。普通叔父の乳は吸いません(笑)。