『真田丸』第30回「黄昏」

そうか、これまで不憫な扱いをされていたのはこのラッキースケベの壮大な前フリだったんですね片桐さん!!(形見の額に一喜一憂する片桐さんってほんと嘘がつけない男なのだなw)
あと『地震加藤』キターーーーーーーーーーーーーー!!からの「泣くなよ、お前泣くなよ!」と言われたにも関わらず結局大号泣しちゃう清正カワイイ(笑)



・・・とでも思わなきゃやってられない鬱回だった・・・。老いる秀吉を見せながらその事実に対する各々の反応・思惑、そこから見える人間性を描きつつ、じわじわと、そして確実に近づく豊臣の終わりを覚悟させられる回ではあったけど、それよりなによりどんどんと老いていく秀吉を文字通り「介護」する信繁の立場が辛くてなぁ・・・・・・。
秀頼と茶々にいいとこみせようとして桜の木に登って調子乗って落ちて、身体もだけど心(プライド)が痛かっただろうに「失敗しちゃったテヘへ」と必死で笑う秀吉が哀れすぎて。
(ただ秀頼が望んだことを伝えただけで悪気は全然ないんですよーってなもんなのでしょうが、またもや淀殿おまえ・・・)(案の定殿下落下で騒然とするなか冷静にその場を収める大蔵卿の手慣れた感といったら・・・)
そしてそんな秀吉との対比として、戦じゃ!戦じゃあ!!とヒャッハーした次のカットでコロリと死ぬ矢沢の大叔父上を描く。大叔父上にしてみりゃ戦場に出ることなく畳の上で死ぬってのは不本意なのかもしれないけど、まぁそれは大叔父上の価値観がイカれてるんであって(笑)理想の死に方だよね。それに対して秀吉は・・・・・・となるわけで、これは誰もが直面する将来なわけでさ、いやあ・・・エグイわ。
前回の感想で“信繁は今真田よりも豊臣のことを、豊臣の側に立って考えていることに気付いたんじゃないか”と書きましたが、殿下の容体について兄に聞かれ「変わりない」と答えた時点ではまだその場(その立場)に留まり迷っていた信繁だけど、兄=真田家にとって必要な情報を隠していることを心苦しく思っていて、それを義父に相談し「己の信じた道を進むのがお前だろう」と言われたことで覚悟を決めた。「義」を通し真田と袂を分かち豊臣の人間になることを。そのために通した『筋』が殿下の本当の容体を伝えることだったのではないか、とわたしは解釈したんだけど、それは信繁にとって相当な決断なわけで、それなのに殿下は自分のことが分からなくなってしまった。石田様や片桐様に比べたら殿下に仕えていた時間は短いし、それは仕方のないことかもしれないけどでも・・・・・・
と思ったら、初めてであったあの日のやりとりを繰り返すとかさぁ・・・・・・・・・こんなの辛すぎて見てられないよー。
でもこれ、形見分けされた三成と片桐さんを見送り、独り殿下を背中に感じながら付き添う信繁は、この時「初めて出会ったころのこと」を考えてたのかもしれないとか思ったんだよね。そんな信繁の心が秀吉に通じたから「出会った日をもう一度」繰り返すことができたのかもしれないなーって。
でもあの日と違うのは「利発な若者は好きだ」「お前のこともひとめで気に入った」という言葉。
秀吉はひとめで信繁のことを気に入ってたんだね。だから信繁を側に置き目を掛けてくれていたんだ。
それを信繁は知った。これは信繁にとってなによりの「形見分け」であろう。
これまで信繁が最期まで豊臣につくことの“理由”を探しながら見てきたけど、これが決め手というか、トドメだ。
もうね、殿下を寝かしつけながら茶々様とのカルタや寧様が芋を煮ていることを語る信繁の声音。顔は微笑んでるんだけど泣いてる表情。喜怒哀楽を全て笑顔で表現する堺雅人の真骨頂だった。


あとさぁ・・・でもさぁ・・・清正は子供みたいにわんわん泣けるし信繁もこういう時間を持てたけど、三成はどうなのかなーって。前回寧様に「あんたたちが全部殿下に押し付けたから」と言われたことともあるしさ、三成の気持ちを思うと胸がギュウウウウウウウウウウウウウウウウウンってなる。って次回上裸で水垢離再び!!!!!!!!!!!!!!!!。


で、秀吉の容態(秀吉の死)という重大な情報を同時に齎された父・昌幸と兄・信幸だけど、それを「真田家のために」しっかりと使おうとする(っぽい)兄に対し「誰にも言うなよ」といいつつ女に漏らす父・・・・・・。お兄ちゃんが忠勝に持ってきた「きわめて重大な情報」が何なのか、それが秀吉のことだとはまだ確定してないけど、もしそうだとしたら昌幸も信幸も結果的には徳川へ情報を流すことになる(なってた)ってのは皮肉だよなーってのはそれとして、このことでもはや事実上の『真田の当主』は信幸であることがはっきりしたよな。トーチャンもう本気でダメだろこれ。
とか思ってたら次回!?忠勝と出浦さんが戦ってるんだけどなにこれどういうことっ!??。日曜20時のSHT期待ちゃうわよ!?。