『真田丸』第32回「応酬」

直江様って今回一言も発してないですよね?。表情が映ることがなんどかあっただけなのに、直江様の心情が怒涛のごとく伝わってくる・・・・・・っ!!。
信繁の頼みをホイホイ引き受けたもののいざとなったら「知らなかったで済む話ではない・・・」と家康でなくとも「あ?なんだって??」ときかえしたくなるほどの極小ボイスで異を唱えることしかできなかった景勝様なのに、ここからなにがどうなって直江状になるのだろうなぁ。
これ、景勝様が本番でヘタレたとみるか、いつものごとく安請け合いしたお館様に余計なことを言うなと直江様が言って聞かせたとみるかで意味合いが違ってくると思うんだけど、わたしは後者かなーと思ったんだよね。多分信繁もあんまり期待してなかっただろうし、それを直江様は分かってただろうし。だからこれは、これでも景勝様精一杯の発言だったのではないかと。もちろん直江様のことだからそこまで見越してて、うちのお館様がやるとしたらこの程度だろうと予想してたんだろうけど、それを家康にあんなふうに蔑まれるとは思ってなかった・・・とかかなぁ?。そしてそれは自分が余計なことを言うなと釘を刺したせいだと。それを含め家康がお舘様を辱めたことを直江様は心に刻み、それがなにかのキッカケで爆発しての直江状、ということになるのだろうか。この直江様でそんなことになったら祭りどころの騒ぎじゃねーぞ。
そして三成・・・・・・・・・おまえほんとダメな男な・・・・・・・・・。
予告で流れた徳川が用意した酒肴と三成のソレの差に切なくなったけど、それ以前の話じゃねーか・・・・・・・。
徳川が大名呼んで頻繁に宴会開いてる→対抗してこっちも宴会するぞ→ろくすっぽ話もせずに仕事があるからと中座
異国で戦ってきた旧友を労うために酒宴を用意→清正「お前と酒が飲みたいのだ!(タックル懇願)」三成「私は飲みたくない!!」
完全に治部さんが悪いですよねこれね。
徳川がなんのために宴会開いてるのかわかってて、だからこっちも宴会するぞってな話なのになんでそういう態度を取るのかと。
殿下のことを敬愛してたのに死に目にあえなかった幼馴染の話をなんで聞いてやれないのかと。清正が必死に頼んでるのにそれはない。それはないってば。
人望がないってのが完全に自業自得なんだよね。周りはみんなそれをわかってるのに当の本人だけ全くその自覚がないんだもん。
これじゃいけないとわかってるのにどうしていいかわからないというか、どうしてもそういう言動を取ってしまうってんじゃないじゃん?。ほんとに宴席を用意するだけして自分は仕事するからって退席して「いい」と思ってるわけじゃん?(一応そっと抜けようとしてたのに長束が「中座しまーす!」とか言ってくれちゃったわけだけど、そもそも中座することが間違ってる)。
わかってるけど、対人方面ほんっとに不器用なひとなんだってわかってはいるんだけど!、それでもなんで三成はこんな人間なんだよー!ってもどかしくてもどかしくて、見てるのがほんと辛い。
清正のことを「考えてたよりももっと馬鹿だった」とか言ってたけど、お前も馬鹿だよ三成!!。
そんでもって一番なにやってんだよお前?と思ったのは信繁な。
「私はほとんど間違えない。だがたまに失敗することがあるからそのときは止めてくれ」と三成に言われたのに(こんなこと言うなんて、信繁に石田様の下で働きたいと言われたことがどれほど嬉しかったんだよ・・・)、主催者なのにもてなそうとする気一切ないどころか途中で席を外そうとする石田様を止めろよと。完全に失敗してんじゃねーかよと。
一方家康のほうは秀吉が死に自らは暗殺者を送り込まれながらも無事だったことで腹を括った、ということなのかな。その死を知りひとり静かに手を合わせた家康は、秀吉を悼みそしてこれから豊臣に変わり徳川が天下を取るべくけじめとしてそうしたのかなと思ってみると、それを境にこれまでの家康とは違って見えてくる。
であれば正信の「天下取りませんか?」に「くどい!!」と怒鳴り返したのはこれまでのように“そんな気はない戦はもうこりごりだって言ってるじゃないか”という意味での「くどい」ではなく、分かったから(天下取るから)もうそれ以上言うな黙っとけ!という意味での「くどい」ということか。
そして殿にくどいと言われた正信の口端に笑みが浮かんでいたのは、殿がいよいよ本気になったと“解った”からか。
徳川外しを目的とする評定の場で「秀吉の遺言」「秀吉の恩義」の見事すぎるすり替えっぷりを見るに、かつて秀吉に「演技は苦手」と言った家康の面影はもはやなかった、よね。
家康に江戸に戻れと命じられ、わかりましたと答えたあとで「・・・なんでですか?」と聞く秀忠は家康でなくともイラっとさせられたけど、ただのポンコツゆえのこれなのか、それとも何か腹に一物あってのこれなのか、まだ判断に迷うなぁ。
・・・ってのはそれとして、信繁でさえわからなかった秀忠を江戸に帰らせた家康の意図をあたりまえに読み解く(そして多分それは正解)昌幸はさすがというか、こんなに立場が違ってしまってもなお思考回路は似てるんだなって嬉しくなったのに、その直後月を眺めて「かえりたい・・・」と呟くトーチャンはやっぱりしょぼくれてて切ない。
あとあと殿下の異変に気付かず寝こけてた片桐さんが、『手を握り殿下の死を看取った』ことになってんのが地味にキツイ。一瞬片桐さんが隠ぺい工作したのかと思ったけど、そんなことできるような人間じゃないから三成あたりに「そういうことにする」と命じられたんだろうなーと。その“嘘”を抱えて生きていかなければならない片桐さんの胃はいよいよヤバイのではなかろうか。