三崎 亜紀『ニセモノの妻』

ニセモノの妻

ニセモノの妻

あーもう気持ち悪いなー(褒めてます)。
例えば動物の姿を“見せる”ことができる異能力・・・と言っていいのかな?特殊な存在・現象・状況が“そういうもの”として日常にある、これまで三崎さんのそういう物語を読んできましたが、今作はどれもその『日常』度が強い。タイトル作の「ニセモノの妻」も、突如ニセモノが現れるという設定こそ突飛なものの描かれているのは完全に日常。「坂」も「断層」も日常の中に突如非日常が出現するんだけど、でもそれが日常になっていくんですよ。だから余計に気持ちがわるい。