大沢 在昌『語りつづけろ、届くまで』

語りつづけろ、届くまで

語りつづけろ、届くまで

作中でやたら北海道と大阪で暴力団絡みの事件に巻き込まれたという記述があるんだけど、これもしかしてシリーズものなの?
・・・と思ってググってみたら「坂田勇吉シリーズ」ってなことらしい。あれー?でも私前2作のタイトルに覚えがあるから読んだことある気がするんだけど・・・・・・。
主人公のサカタは言ってしまえば“暴力団慣れ”してるってことなんだけど、巻き込まれ体質の人間ってのは小説内のみならず現実にもいるからいいとしてもそれが“暴力団方面のみ発動する”ってのが私はどうにも受け入れ難い。多分前2作もそうだったはずなんだけど、今回はただのサラリーマン(主人公)の仲間として事件に首突っ込んでるのが老人達だから余計にそう感じた。
多分このシリーズって、そんな表現があるのか分かりませんが大沢さん流の「日常の延長線上にある事件もの」だと思うわけで、大沢作品における「日常の延長線上」には普通に「暴力団」が存在している、ってなことだと思えばいいんだろうけど、だったら素直にそういう話を書いてくれればいいのに・・・と思う気持ちは否めません。