大沢 在昌『魔物』

魔物〈上〉

魔物〈上〉

魔物 下

魔物 下

北海道の麻薬取締官・大塚の元へ地元ヤクザとロシアンマフィアとの麻薬取引の情報がもたらされる。麻薬の押収には成功したものの、大塚が狙っていたロシアンマフィアの一員と目される大男を取り逃がしてしまう。追われた男は何発もの弾丸を撃ち込まれながらも何人もの人間を素手で殺害。顔見知りのロシア人ホステス・ジャンナの協力で非人間的な男のパワーの源は男が大切に抱えている一枚の絵に描かれた「カシアン」であることを知った大塚は、東京へ飛び、やがて自らの傷と向き合うことになる。

大沢さんってこんなファンタジーっぽいものも書けるんですね。ファンタジーに無理やりハードボイルドをねじ込む手腕はさすがだと思いました(←棒読み)。