『ちかえもん』第5回

ついにお初の素性、目的が明らかになるという結構なシリアス回でしたが、そっちよりも義太夫さんと万吉が仲良くなってるのがホッコリすぎて(笑)。
義太夫さんが近松先生を探しに天満屋に来た時点ではまだ日が高かったのに、いつのまにか夕暮れになってて笑ったわ(笑)。
義太夫さんが布団めくったら万吉がってのは予想できたけどまさかあんな恰好で寝てるとは思わなくて、ものすごい立派な太ももに思わず画面を一時停止したよねw)
でもこれ、義太夫さんもちゃんと浄瑠璃を「聴いてもらう」ことに飢えてたんじゃないかなぁ。だって義太夫さんは浄瑠璃を商売にしてるわけで、云わばプロの芸をタダで聴かせるってのは本来すべきことではないよね?。キッカケは万吉が上手いことおねだりしたからだとして(想像余裕だしw)、トータルどれだけ謡ってたのかわかりませんが、思わずガチで演っちゃったのは目を輝かせて聴いてくれるのが嬉しかったからなんじゃないかなーって。
そう考えると、天満屋に来た目的は「近松先生にもう無理して新作を書かなくてもいい」と言いに来たと、「もう竹本座を閉めようと思ってる」と、その言葉が切ないわけで。
だから万吉の「ちかえもんがいまにすごいにんじょうぎょうるり書くから大丈夫」という言葉についつい『その気になる』義太夫さんに思わず泣きそうに。
実際その頃ちかえもんはものすごいタイミングでもって聞いてしまった、聞かされてしまったお初の事情に好奇心をもりもり掻き立てられてしまっているわけで、お初のことを可哀想だとは思うんだけどでも「面白い」と思ってしまっているわけで。作家の業だよねぇ(ちかえもんのスイッチ入ったのがわかったのか、さりげなく行燈を置いてくれる女将もよかったわー。普段はツケを払わないしょぼくれたオッサンとしか思われてないんだろうけど、このワンカットがあることでちかえもんが作家としてちゃんと尊敬され尊重されてるってのがわかるもんね。加えてこういう心遣いができる女将の店だからこそ、ちかえもん天満屋が好きなんだろうってのも伝わってくるし)(そしてちかえもんがお初の話を聞く羽目になった“理由”は義太夫に探されたからなわけで、つまり曽根崎心中が生まれるために竹本義太夫の存在は必要不可欠だということになると思うのよね。こういうすごく嬉しい)。
今回のメインはお初の事情をあかすことで、義太夫さんと万吉のシーンはお初が歌う「出世是清」の補足説明なんだけど、ただそれだけに留まるのではなく義太夫さんをちょっと掘り下げるところが上手いよなーと思ってたら・・・
なんとなんと次回のタイトルが「義太夫些少活躍(ぎだゆうわりとかつやく)」て!!!。
ほんとこのドラマは作品全体を通しての展開・構成がしっかり考えられていて、テンポと流れが素晴らしいなと思いつつもまさか義太夫さんのターンがあるだなんてまったくもって予想してなかったんで、ちょっとわたし真面目に嬉ション状態です!!(笑)。
ていうか『わりと』て(笑)。
ていうか義太夫さんのこと『精一杯男前に化けたキツネ』って(笑)。
「精一杯」と「キツネ」ってのが絶妙すぎる(笑)。
平野屋の仏壇に徳兵衛の母親と共に並ぶ位牌がお初の父親のものであるならば、お初が話した父親と平野屋忠右衛門との関係は真相は全然違う、つまりお初の誤解だった、ということなのではないかと思うわけで、それでも、というかそれなら尚更武家の娘であったお初が遊郭に売られた“事実”がより悲惨なものとなるであろうわけで、そこに黒田屋がどう絡むのか、そこでこの精一杯男前に化けたキツネみたいな義太夫さんがどうわりと活躍するのか、もー楽しみすぎてやばい。



北村有起哉さんのスタパ浄瑠璃のお稽古話とか、声は別の人(本職の人)があててると思ったら有起哉がやってる!?ってんで驚く高岡早紀さんとか、あと松尾さんのだらだらしたコメントとかw見応えあったし、なにより有起哉さんがとても誠実で素敵でしたが、幸せオーラがはんぱなさすぎてちょっと・・・打ちのめされてしました。
この世に有起哉に2時間プロポーズされた人間がいるだなんて・・・・・・。