『アルジャーノンに花束を』第7話

お前オレのことが好きなんだろう?(意訳w)と聞き愛してるという遥香に「もう一度」と繰り返させるというわかりやすいSっぷりよりも、講演終わって控室に戻りジャケット脱いでワイシャツの袖のボタンをはずして腕まくりする咲人の無言のSっぷりのほうがたいへんです。言葉にせずともS感を出せるという意味で、この役にP様は適任であると言える(そのせいで咲人が完全にイヤな奴と化してるけど)。
あとはここからアルジャーノンに生じた異変をどう受け止めるか、そしてそれが自分にも起こるんではないかという恐怖をどう演じるのか、ですね。
壁にぶつかるアルジャーノンが名演だけに(あれロボットじゃないよね?痛そうで可哀想・・・)それを台無しにしないようP様には頑張っていただきたい。
演技といえばですね、部屋でまたもや意識失っちゃった梨央の隣で頭抱えて泣き喚く檜山なんだこれ(笑)。これまで上手くはないけど悪くもない(雰囲気はある)と思ってたんだけど、さすがにこれはひどすぎて脱力せざるを得ない。ていうか梨央のために咲人が人体実験の材料にされたってわけじゃないのなら、逆に梨央(を思う父親の気持ち)が利用されていたとはいえ梨央と檜山の恋バナは正直どうでもいいです。そういう話は別のところでやってくださいという気持ち(難病もの苦手なんで)。
でも研究開始当初からスポンサーの娘の病気には適応しないと判っていたのに希望を持たせて金引っ張るだけ引っ張ったところで「つい最近判ったことなので」とかシレーっと言ってのける蜂須賀教授は素敵です。女はってか咲人以外は全て自分の駒である(駒でしかない)というスタンス含め。そこいらへんを咲人に見抜かれ惨めに捨てられるところまで素敵。
反対にハギーはなぁ・・・(今更ですがハギーの役名知らないことに気づきましたw)。従業員たちの前であんなこと言われちゃったら頭に血が上っちゃても仕方がないかもだけど、世話になった先輩から頼むと託された息子に「出て行け」というだなんて、社長もしかして図星かよ。社長は咲人の変化についてというか過程においてその都度説明を受けているわけで、少なくとも従業員たちよりは咲人のことを理解してくれてると思ってたのに、こういっちゃなんだけど“こんなこと”ぐらいで咲人のことを追い出す(ようなことを言った)のは、咲人の指摘が図星だったからとしか・・・。
でも梨央と檜山の恋物語はどーでもいいけど先輩の奥さんを抱いてる、もしくは長年秘めたる想いを抱いているハギーってのは興味があります(笑)。
それはそうとして、しかしあれですね、高梨さん演じる水10の研修医といい遥香といい、女って(恋愛)感情でこういうことをするからダメなんですよね。
カッとなってつい・・・ってのは女に限ったことではなく人間性によるところが大きいとは思うし、恋愛に限らず嫉妬心なんかはむしろ男のほうが強いとは思うんで「女だから」ってのは短絡的な見方であるとも思うんだけど、でも研究の成果である薬(自分一人で造ったものではなく大勢の人間が長い年月をかけて開発したもの)を好きな男が変わってしまうから・・・とかなんとかそんな極私的な感情で台無しにしてしまうってのは「女だから」だと女であるわたしは思う。
って、わたしの知る限りでは前回の途中ぐらいまで遥香は蜂須賀教授のことを好きだったように見えたんだけど、いつの間にこんなことを仕出かすほど咲人のことを愛しちゃってんですか?。咲人が「俺がイラついてたのはお前が俺のことを好きだと認めようとしないからだ」(またもや意訳w)なんて自信満々で言えちゃうぐらい遥香の気持ちが自分にあると確信したのはいつ頃からなんですか?。天才になりかけぐらいまでの咲人に対して遥香が抱いていたのは文字通り「ママ」としての愛情、母性愛とか保護欲とかそんな感じだと思ってたし、キス目撃事件のときも遥香の気持ちは教授にあったんだよね?。で、その直後に咲人は天才として覚醒しドSになったわけだよね?。遥香はいつから咲人のことをそういう目で見てたの?。天才ドSになった咲人に恋しちゃったってんなら気持ち超わかるんだけど。


花屋を出て行く咲人を壁にもたれて黙って見送る柳川くんの表情がとてもよかった。檜山と梨央のことをヤイヤイいう同僚たちに怒鳴ったりするよりも、こういう演出のほうが窪田くんの魅力をより伝えられると思います(日テレに向けて)。