『天皇の料理番』第3話

篤蔵が天才かどうかはわからないけど(才能はあるんだろうけど天才というほどではないのかなぁ?)、何かを成し遂げる人ってのはやっぱり多少なりとも他人を犠牲にしてるんだろうなーと思った。
そもそも才能がありながら、目標・目的のためにとことんまでの努力が出来てしまう人の前では凡人に出来ることはないわよね。
そして理解者の存在。そして運。それら全てがあってこそ、天才は天才として活躍できるのだろうと。
現実の秋山さんはこの時点ではまだ独身で、店のかけもちではなく何軒も渡り歩いたそうなので、これはあくまでも「ドラマ(オリジナル)」ということでしょうが、そんなことを考えました。
で、わたしは確実に犠牲になる側の人間なので、踏み台にされそうな佑くん演じる辰吉に感情移入してしまうわけですよ。
これがさ、自己評価が無駄に高い自分の実力を全く解ってない(他人との比較が出来ない)奴ならそんなことはないんだけど、辰吉わかってんじゃん。自分は篤蔵のように目端が利かないってちゃんとわかってんだよね。だから仕方がないことだって自分に言い聞かせるしかないし、仕方がないことだからこそ悔しいんだよね。
と握られた辰吉の拳を見ながら思うわたしである。
でもなによりも嫉妬なのは篤蔵が宇佐美さんやら五百木さんやら、英明さんやら!!(ここだけ役名でないことで察してw)素敵なおじさんたちにチヤホヤされてることなのよおおおおおおおおお!なんなのこのペテ公!。
篤蔵の申し出は業界ルールに反するわけだよね?。それでも、宇佐美さんに恨まれたくないと言いつつも五百木さんが篤蔵の願いを聞いてくれたのは篤蔵の熱意にほだされてってことなのでしょうが(“シェフになりたい”という強い意志を持ってこの世界に入ってくる若者はそんなにいないってことだから宇佐美さん同様五百木さんも篤蔵のような存在を嬉しく思ったってのもあるだろうし)、それにしたって自分の横にぴったりつかせて聞かれたことには優しく答えてくれたり、鍋底のソースの味を盗まれないよう灰汁いれるなんてことが当たり前の世界で作りたてのソースを味見させてくれるどころか作り方まで教えてくれるとか、篤蔵に対する五百木さんのアレコレはちょっと・・・いやかなり・・・行きすぎだと思うの。
・・・・・・愛か?(笑)。
いやだってさ・・・・・・・・・まったく同じシチュエーションで五百木さんと出会い、篤蔵に負けないほどの熱意があったとしても、佑くんの辰吉にはこんなに優しくしてくれないだろう・・・・・・くれないよきっと・・・・・・。
だって妊娠してるとわかってもなお放置する妻に「ジュテーム」って書いても許されるってか、なーに書いちゃってんだよー「ジュテームってなんですか?」な嫁と併せて可愛いなコンチクショー!と思えるのって、たけさん篤蔵だからじゃん?。人間としては相変わらずアホだし夫としては相変わらずクズなんだけど、でも自分が恥をかいたからって俊子に出した料理はお箸で食べられるように予め切り分けてやる優しさ(それをこのドラマでは「真心」というのだろう)、こういうの見せられちゃうと敵わねーなーって思うしかないじゃん?。
これ佑くんだと思ってみ?妻に妊娠したと聞かされてもなお戻る気はないなんて言った日には批難轟々どころの話じゃねーだろ。
世の中って不公平なものなんだよね・・・(←超感情移入w)。