『天皇の料理番』第6話

なんだろう・・・宇佐美さんが差し出した包みを開いたら包丁(牛刀)がどーんって見えた瞬間、包みの形状から何が入っているのか明らかなのに(心の準備はできていたのに)それでもぶわっとこみ上げてしまった。兄やんと宇佐美さんの深すぎる愛情になんかもうなんだかわかんない汁がダラダラでたわよ。篤蔵の手紙を「読めません」って苦笑いしつつ太陽に掲げて「励めよ」って言うゲッソリなんてもんじゃねえ兄やんにダッバーって泣いた。
兄やんほどの人ならあのくらいのフランス語読めると思うのよね。でも読めませんと言ったのは、『帝国一のシェフになる』ってのは自分と篤蔵の、自分が篤蔵に託した『夢』だから、叶うまで父親にだって言わないでおく・・・てことなんじゃないかなー。そう思うと読めませんのあとの笑顔からの太陽に向かって励めよがさらに泣ける。兄やんの手紙思いだそうとするだけで泣いちゃう。「俺の命を抱いて、飛んでくれ」とかー!。
兄やんからそんな手紙貰ってもなお篤蔵がアホだったらどうしてくれようかと思ったけど、宇佐美さんの「カレーが腐ってるのは作る人間の性根が腐っているからだ」からの(蛾次郎の「女の喜ばせ方」を経てw)「普通のカレーがとびきり美味い」ってな一言でもって篤蔵の人間的成長が伝わってきてさ、そんでもってのあの餞別ですもん。「こいつにもパリを見せてやってくれ」ですもん!なんだよこれ!。
そしてバンザイ軒に入ることができない辰吉に違う涙が出ちゃったわ。
篤蔵の周りみんないい人でさー(いろんな意味で嫁に攻められすぎて篤蔵が出て行っちゃったんじゃないかと思ったよーって抱きしめる蛾次郎かわいすぎんだろ!!w)、篤蔵の夢を応援してくれてさー、それはそれだけ篤蔵の想いが純粋だから、応援してやりたくなるだけの熱意があるからってことなんだろうけど、みんながみんなそんなふうに生きられるわけじゃないんだよね。熱意がどれだけあったって、凡人は凡人でしかないんだよ。
宇佐美さんが訪ねてきたと判った瞬間バッと隠れた新太郎もそう。本当にパリに行くという篤蔵に対して複雑な想いがあるとは思うんだ。それがあの暑苦しい万歳に詰まってた。
そういう人たちの想いはきっと篤蔵には届かないんだろうなーって、届かないというか、知らなくてもいいんだよね、篤蔵は。
でも楽しそうな声が漏れ聞こえるバンザイ軒の前に立ちつくし、入るでも帰るでもない辰吉の肩を宇佐美さんが優しくポンっと叩いてくれた。ちゃんとわかってくれる人はいる。見てくれる人はいるんだよ辰吉!(超感情移入w)。