『天皇の料理番』第11話

肺の病と心臓の病という違いはあれど、兄やんのインパクトというかビジュアルの説得力であり(この表現はちょっと違うかもしれないと思いつつも他に思いあたる言葉が見つからないので)迫力と比べてしまうと、そういう意味での画面の力は弱かったかなーとは思いましたが(だから落ち葉とかカタツムリとか小道具で盛ったんだろうなーと)、でも不器用な愛がいっぱいつまった優しい回でした。
ジュテームって何ですか?→俊子の枕元に座る篤蔵の後姿をだまって見つめる一太郎→遺影という流れで俊子の死を直接描かなかったのもよかったと思う。描かなかったからこそ篤蔵の哀しみを視聴者は“想う”ことが出来たと思うし、だからこそ俊子亡き後俊子のスピリットを受け継ぐ子供たち、子供たちの中で俊子は生きているってのがより効いたと思うし、それに気づいて家を飛び出し優しい雪の降る中泣いちゃう篤蔵に、素直に、心からのもらい泣きができたのだと思う。
家族揃って除夜の鐘の音を聞いて、お母さんと一緒に年を越せたという喜びと、でも来年は・・・という哀しみもちょっとはあったりしたのかなぁ?涙混じりで新年の挨拶をする子供たちもよかったなー。なりたいものはやってみなけりゃわからないと一太郎が宇佐美さんの隣でジャガイモの皮をむき、誰かの役に立つことの喜びを知るべく初江が父親の靴下を繕い、そしてそして周二郎が母親直伝のくちびるベロン・・・って、長男と長女にはそれぞれ俊子が教え伝えるシーンがあったけど(長女が結構な価値観を披露してて、男の子は母親に似て女の子は父親に似るってよく言うけど篤蔵のクズ遺伝子は長女により濃く受け継がれてんだなーとか思ったわw)、次男は特になかったから不意打ちすぎて涙ドッバーって出ちゃったわよ。これは卑怯。
ていうかさ、ちゃんと作ってれば定番の「思い出(回想)映像」で泣けるんだよねぇ。いや別に同日男同士で刺し合って死んだ某さんとその嫁のことだとは言ってないですよ!。
そんでもっての「ジュテームって何ですか?」に対する篤蔵の答えな。これまでの篤蔵の発言で最高の訳だろう。「篤蔵よりも長生きする」という俊子の想いをちゃんとわかったうえで篤蔵だから言える、篤蔵の集大成と言っていい答えだった。


宇佐美さんがいつも素敵なのは当然のこととして。今回は宮前さんの引き際がカッコよすぎた。こういう人が日本を作ってきたんだろうなーと(そして今の日本にはこういう人はもういないんだろうなーと)か思ったり。


あ、金八の説教受けたのは新太郎でした(笑)。これは金八になってもしゃーなし(笑)。
つーか真心がないのか!ってキレる金八に「真心がないんじゃなくて頭がないんです」って篤蔵ひどい(笑)。