『デート〜恋とはどんなものかしら〜』最終話

最終回を前にしてモヤモヤ最高潮にさせられこれどうやって終わらせるんだろうかと楽しみにしてましたが(不安は一切なかった!)、見事すぎる最終回に心が震えました。震えながら泣いた。月9見て泣いちゃったよ。
どこで泣いたって、依子が書いた谷口さんの嫌いなところノートを見て心ボッキリ折れた鷲尾くんにな!。
だってもうさ、鷲尾くんのプロポーズを依子が受けることになんの問題もなかったじゃん。もうそれ当然の流れだったじゃん。ついでに巧も巧で期せずして働くことになったとか言ってて、もうこれみんなにとって超ハッピーエンドじゃん。むしろこれひっくり返るとかおかしいじゃん!!。
依子と巧がなにかっつーと言い合いになっちゃうのはスケートリンクでやりました。いやお前らフツーに好きあってんだろ・・・としか思えないのに、それでも依子は鷲尾さんと巧は佳織と交際することが、恋をすることが楽しいんだと、そう認めて、認め合ったわけですよね。そんでもってうまくいってる。うまくいってるらしい。だから二人がどれだけ言い合いしてもそれがどう聞いてもお互いを解り合ってるとしても、今更どうこうなることはないよね。なるんだったらスケートリンクでなってるはずだもん。
そして30歳の誕生日に結婚するという目標のために努力し続けた依子にサプライズ誕生日会の流れで鷲尾くんがプロポーズした。それに対し依子ははっきり「YES!」と応えた。
これがひっくり返るんだよ!?完璧にひっくり返っちゃったんだよ!?。
前につきあってた人を忘れるには嫌いなところをリストアップすればいいと言った“自分のアドバイス”を素直に実行した依子がノート3冊に谷口巧のことをびっしり書き連ねてて、それでもまだまだ書き切れないって、そりゃもう「依子さんの頭の中は谷口巧でいっぱいだー」って泣いちゃうよね・・・。さっきまでどう考えても鷲尾くんのプロポーズは成就するとしか思えなかったのに、それからほんの数分後にはどう考えても依子の頭の中は巧でいっぱいとしか思えないとかさぁ・・・これは泣くよ、泣かずにはいられないよ。
そしてトドメのダブル土下座。依子は佳織に、巧は鷲尾くんに、どうか幸せになってくれと、幸せにしてやってくれと、泣き叫びながらあんなにも必死でお願いされたらどうしようもないよね。だってもう『自分じゃ駄目だから』ってのが痛いほど伝わってくるんだもん(2話の土下座プロポーズとやってることは同じなのに)。自分と依子さんはやっぱり不等号ですって言うしかない。こんなの相手にならないもん。
もうぐうの音も出ないほど、完膚なきまでにひっくり返った。この怒涛の流れはすごすぎて自分の観てるものが理解できなかった。展開が凄まじすぎて受け止めきれなかったというか。
そこからの林檎。そこまでの怒涛の展開が「動」だとすれば、二人が林檎を齧りあうシーンはまさに「静」。齧りあう表情の変化だけでこんなにも物語るだなんて。たった数十分の間にこうまで異なる時間が無理なく流れるってすごいと思うの。
そして何がすごいって、二人に林檎を与えるのが白石加代子だということよ。
繰り返すけど鷲尾くんのプロポーズを依子が受けることになんの障害もなかったわけで、そこに『結婚指輪が入らない』という物理的障害を発生させるために巧が依子の指を踏むというシチュエーションが必要だったと。とりあえず必要なのはそれだけで、「恋」の辛さを語る老婦人との出会いはなければならないものではなかったよね(白石さんが語った「恋」はきっと卒業(という映画)のようなものだったんだろう。巧母と佳織が卒業について語ったことがこういう形で回収されるとは)。
でもいくら多数決で満場一致となったからといっても、鷲尾くんと佳織を傷つけたことには違いない。親や友人に迷惑をかけ、鷲尾くんと佳織に残酷な仕打ちをしてしまったことを二人が文字通り噛みしめるために、林檎を食べなきゃならなかったんだと思う。『恋とは恐ろしいもの』だから『踏み込んではダメよ』というアドバイスとともに貰った林檎を二人で食べるということは、楽しいだけの恋ではなく辛く苦しい恋をするための決意であり儀式だから。つまり白石さんと出会い林檎を貰うのは必然だったんだよね。あの林檎にそれだけの意味と、それからアダムとイブ的な、禁断の果実的な、そういう意味合いを持たせられる人はそうはいない。そのための白石加代子なんだよ。白石さんだからこそ、白石さんが出てくれたからこそのこの静謐で、でもとても淫靡な林檎シーンになったのだと思う。
そんでもっての中学生(いや小学生か?)並の不器用すぎるキス。林檎食べ合うのはあんなにもエロかったのにぎこちなさすぎるキス!。
もうこの時点で完敗ですよ。脱帽ですよ。
それなのに!それなのに!!古沢良太という脚本家はさらなる『運命』を用意した。
子供の頃に出会ってたってだけなら蛇足だった。と思う。
巧があげた切符を依子がお守りにしていて、それを偶然乗り合わせたバスの車内で巧に見せて、その時車体が揺れて切符を落とし、それを拾おうとした巧が依子の指を踏んでしまった。そのせいで依子の薬指が腫れ指輪が入らなかった。
これを運命と言わずしてなんと言うのか。
依子が切符をお守りにしてるだなんて最終回にして初めて知ったことだけど、でもこれまでの依子の言動と、それから依子母の存在でもって後出し設定にはならないんだよね。ちゃんと積み重ねがあってのコレだからご都合展開ではなく予定調和になる。嬉しいサプライズになる。運命になっちゃうんだよ。
つーか切符あげた女の子に「しーっ」ってするチビ巧のカッコいいこと!!こらモテるわ!!!(なぜかものすごく腹立たしいw)。
そして最後のデートシーン。第一回目のデートと同じようでいて、でも確実に違ってる。二人はちゃんと同じ桜を見てる。同じ時間を過ごしてる。
カエルカラ―(笑)のネイルをした依子の手をそっとぎゅっと握る巧のカッコいいこと!!!!!。
食べ終えた林檎の芯を渡そうとした依子の手をそっと握るのもここも、長谷川博己の美しすぎる手指エロいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(←悶え泣きしながら)。


どうなるかはわからないけれど・・・という鷲尾くんと佳織のフォローも絶妙だし、こんなにも幸せな気持ちになれる最終回だなんて最高すぎるだろう!。この素晴らしすぎるドラマを語るための語彙がなさすぎてもどかしいっ!!。
最終回どころかこの3か月間心底から楽しめました。脚本・演出・演技がしっかり噛みあうドラマに出会えるのってほんと幸せ。この作品に関わった全ての人にありったけのありがとうをおくりたいです。
ていうか、長谷川博己イイでしょ?イイ俳優でしょ??w。
この作品で長谷川博己という俳優の力を思い知ったって人もきっとたくさんいるんだろうなーと思うと誇らしくてニヤニヤしちゃうw。