『新春浅草歌舞伎』@浅草公会堂

ちゃんとした感想は千穐楽まで全て見終えたところで書きたいなと思っているのですが、とりあえず、とにかく、これだけが言いたくて。


みんな浅草歌舞伎を見に行こうよ!!!


歌舞伎の世界に触れてまだ十何年とかそこらのわたしではありますが、こんなにもキラッキラした歌舞伎を観たことはありません。
そして楽しい!!。
歌舞伎ってどうしても敷居が高い部分ってあると思うんですよね。ていうか何やってんだか(何を言ってんだか)わかんないしって思ってしまいますよね。そういう面があることは否定しません。
だけど今回の浅草歌舞伎は大丈夫だと太鼓判押せます!。昼も夜も台詞を聞いて物語を追ってという所謂「舞台」らしい舞台は1本だけで、あとは踊りなので難しいことは全くないし、各1本の物語も昼は“源氏と平家”という比較的馴染みのある題材で“阿呆のフリして実はイケメン”の物語だし、夜は“忠臣蔵”というメジャーな題材の中で“殿の一大事に女と会ってたダメ男なイケメンと、そんなダメ男を一途に想う女”の話なんで、観てるだけでなんとなくでも理解はできると思うし。
なんていいつつ、でも実は理解とかそういうのどうでもいいと思うんだよね。今回の浅草歌舞伎は。
全く理解できなかったとしても、それでもこの華やかで爽やかで一生懸命な舞台を観ているだけで充分に楽しめる。はず!!。
みっくんこと巳之助さんが「頭をからっぽにして観てください」と、それに加えて可愛すぎる女形(浅草ピンク)と呼ばれる米吉くんが「娯楽ですから」とお年玉ご挨拶で言ってたけど、それに尽きる。何にも考えなくただ観て楽しめばいい、楽しめる、それが今回の浅草歌舞伎なんです!!。
もうね、昼も夜もとにかく楽しい。みんな綺麗でカッコいい。華やかで粋で、観終った瞬間楽しかったー!!って思える。わたしの歌舞伎観劇史上ここまで『楽しい!!』って思える公演は初めてです。楽しさという観点で言えばわたし史上最高だと言っていい!!。
もうね、松也しか知らなくとも、2.3人しか知らなくとも、舞台上の誰一人知らなくとも、観終ったら「みんな可愛かった(かっこよかった)」と思っちゃうから!マジで!。
そういう意味では普段イケメン舞台を観ている人にこそ今回の浅草歌舞伎を観ていただきたい!!!。
昼も夜も最初に日替わりで役者が二人素顔(人前に出る用のメイクはしてるけど)+袴姿で登場しお年玉挨拶としてちょっとしたトークをするんだけど、これがまた可愛いんだ!。イマドキの若者らしさ全開で、素顔とお役とのギャップにきっと驚くだろうし、ていうか「関係性」ですよ!。昨年までは一人での挨拶だったんだけど今年は二人組にしたことで女子が大好きな『関係性』がチラ見えしてですね!これがたまらなすぎる。種之助くん(弟)が大好きすぎる歌昇くん(兄)とかさー、「犬と猿ならぬ犬と猫」で実は仲悪いんですと言いあう米吉くんと種之助くんの同い年コンビとかさー、みっくんと種之助くんの独楽回しコンビもいいし・・・って、種之助くんばっかじゃねーか(笑)。
と、恐らくここで「(中村)種之助」の画像を検索した人がいらっしゃると思うのですが、種之助くんのみならず今回の浅草メンバー総じてそんなに写真写りはよろしくありませんっ!!!(断言w)。
全ての歌舞伎役者の中でもイケメンっぷりでは1.2位を争う中村隼人くんですらそんなでもない・・・・・・と思われることでしょう。ええ、そこは「ですよねー」と言うしか。
でも生ヤバイから!!!化粧するとはんぱねーから!!!!!。曽我十郎の隼人も酒売りの隼人もそれこそ次元を超越したイケメンっぷり。十郎でお扇子を口に咥える振りがあるんだけど、そことかもう意味わかんないぐらい美形ですからね!!(ちなみにその隣で松也も扇子パクリしますがこれはあんまりどうでもいいw)。
そんなでもねーだろと思ったイケメン好きのひとはマジで一回見て来いよと!見たうえでやっぱそんなでもないじゃんって言われたら土下座しますからとりあえずほんと一回観てみてくださいって。


歌舞伎って「不変」であることに意味であり魅力があると思うんですよね。十年経っても二十年経っても同じ役を演じることができる。それが他にはない歌舞伎の特徴だと思うんです。だから『今』観なくてもいい・・・かもしれません。
でも役者は成長する。変化するし進化する。若ければ若いほど、それは顕著です。
実際、去年は“女の子”でしかなかった米吉くんが今年は尋常じゃない色香を放ってるし、みっくんや隼人の踊り、それから児太郎くんは昼も夜も確変かよ!?と目を瞠る出来で、この一年、いや、今年の浅草のメインを担うとなってからお前らに何があったんだ!?????と嬉しすぎる驚きですもん。
今回の目玉というか最大の挑戦である松也の勘平は勘平と同年代である『今の松也』だから出来る演技で、わたしにはそう見えて初日はもう本気泣きだったんだけど、それは言い換えると『今しか観られない』演技ということになるんだよね。この先また勘平という大役を演じさせてもらえるかどうかはわからないけれど、このギリギリ崖っぷちの勘平は松也が置かれた環境、松也に与えられた役割であり責任込みでまさに『今』だけの勘平だと思うの。
五年後十年後の歌昇くん大蔵卿がすっごく楽しみになったけど、そう思えるのは『今』の歌昇くん大蔵卿を観たからこその楽しみなんですよね。
今観ずともそのうち松也の勘平や歌昇くんの大蔵卿を観ることは出来るでしょうが(出来るといいな)(特に前者)、その時に“あの時浅草観てればよかったな”と思ってももう遅いんです。この二十代前半(松也だけ後半だけど)の超花形と言われる時代はあっという間に過ぎてしまうんです。この煌めきは今だけのものなんですっ!!!。
だから今観なくちゃだめなんですよ!!!!!。探せば値引きチケットもあったりするんで、歌舞伎デビューするなら今!今年の浅草で!!!!!。絶対後悔しないと思うし、きっといい思い出になると思うのでぜひぜひ!。