前回「FINAL」と銘打って公演したわけですから、もしこの先またアルターボーイズが上演されるとしてもそれは完全新生メンバーによる云わば2ndであって、もう初演メンバーがそのステージに立つことはないんだろうなぁと思ってました。実際のとこ、FINALというだけあって完成してたと思うんだよね、あの時のREDは。日本版アルターボーイズの完成形だったと思うの。衣装はくっそダサかったけど。だからもうこれ以上のものは望めないだろうと、ルークとマークのキャス変があったりしたけど東山さんのマシュー率いるアルターボーイズとしてはもうこれがMAXなんだろうなーって、前回のFINALのRED公演を見てわたしはそう思ったんですよね。そこにわたしのお目当てはいないけど、それでも(もうこれでFINALなんだと、もう東山マシューを観ることはできないんだという気持ちで観ていたことも大いに関係してはいたのでしょうが)満足出来てしまった。だからもうわたしにとってALTARBOYZは終わった・・・というとちょっとニュアンスが違うから・・・・・・区切りか、一区切りがついたんですよ。最高に楽しい時間だったなーって、わたしの中ではいい思い出として整理がついてたんです。
それなのにあっという間に再演ですかよ。
またALTARBOYZやります。こんどはLEGENDです。
は?LEGENDてなにそれふざけんな。
その発表をみた瞬間、わたしの中では喜びよりも憤りの方が先にうまれました。大好きな演目に対してそんなこと思いたくないけど、でもふざけんなわたしはお前(ら)の財布じゃねーんだよ!!と思ったのは事実。
でもまぁ別にいかなければならない義務があるわけでなし、そんなふうに思うなら行かなければいいだけです。
だがしかしいかないという選択肢がないのもまた事実なのである。なぜなら東山マシューがそこに居るから。
ていうかガウチが!!!ガウチマークにまた会えるというならば行かないわけがないじゃないか!!!!!!!!!!。
という思いを抱えてマイ初日を迎えました。
開始30秒で泣いた(笑)。
ほらギデオンの バイブル〜 ってところでガウチマークが目の前にいてぶわっって泣いた(笑)。
クッソかっこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!。
We are the ALTARBOYZ(1曲目)が終わった時にはもういいもういいわたし財布でいいですいやむしろ財布にしてくださいお願いしますと心の中で泣きながらひれ伏すわたしが居たわ(笑)。
なんなの?なんなのこのマーク可愛いんだけどカッコよくて、キラキラしてるんだけどギラギラしてて、なんなの?ほんとなんなのねえ!???。
目の前で絡むw東山マシューとガウチマークに興奮なんだか歓喜なんだかもうわかんない気持ちで胸どころか全身がいっぱいになって自分でも制御不能なうねりが身体を貫き吐き気のようなものが何度もこみ上げてきて死ぬかと思った・・・(今回のマシューは前髪をポンパっぽく留めてるんだけど、乱れてひと房はらりと垂れちゃう回があって、マークが一生懸命直してあげようとするんだけど垂れてきちゃって、最終的に二人で顔見合わせて「もういっかw、でへへへへ」って笑いあってんの見た時は本気で彼岸が見えたわ・・・)。
初演時、ガウチはマークという役を理解出来ないって言ってたんだよね。ゲイである自分を受け入れられないというか、ゲイになりきれなかったということだったとわたしは理解してるんだけど、一度マークから離れ、経験を積み、そしてもう一度戻ってきたガウチはなにか吹っ切れたように見えた。とにかく楽しそうで嬉しそうで、そしてメンバーに対する愛でいっぱいに見えた。
そうなの。今回のLEGENDのステージには愛が溢れまくっていたのです。
東京千秋楽で豪くんだったと思うんだけど、『「いつもファミリー」って歌詞があるけどほんと家族のような関係で』と言ってて、それ聞いてLEGEND観ながら毎回思ってたことが『家族』という言葉にストンって嵌ったんだよね。
そうだ、彼らは家族なんだって。
LEGENDというだけあって安定してるし、そこにはお互いに対する信頼があるのでしょうが、それだけじゃない気がしたんだよね。なんかもっと濃厚で濃密な何かが5人を繋いでいるように感じたの。それはこれまで何十回も観てきて初めての感情で、なんだろう?何が違うんだろう??と思い続けてたんだけど、そうか、今回のLEGENDアルターボーイズは家族になったんだと。
それが最も顕著に表れてたというか、それを体現してたのが戻ってきたガウチのマークだった。
マークはマシューのことが好きで、『ボクのような男の子』にとってマシューへの気持ちは特別で、今にして思えばこれまでのガウチマークは“それだけ”でいっぱいいっぱいだったと思うの。でも今回のマークはそれだけじゃなかった。マシューだけじゃなくって、フアンちゃんのこともルークのこともアブちゃんのことも、それから会場を埋めた客のこともみんなみーんな「大好き!」だったの。ガウチのマークは愛でいっぱいだった。全身全霊で世界を愛してた。
マークの見せ場はなかなか魂が浄化されない“10人”に向けて、誰にだって秘密にしたいことがあると、誰にだって人に言えないことがあると、だけどそれを抱えこみ自分を偽って生きてちゃつまらないからつまはじきにされても心の内を吐きだそう!誰に恥じることもないそれが本当の君なんだ とそう訴える『EPIPHANY』という曲なんだけど、歌う前に長台詞を喋るんだよね。要約しちゃうと他の子と違うから(ゲイだから)酷いイジメを受けていて、なんてことない顔して耐えてたらそれがいじめっこの嗜虐心を煽ってイジメが更にエスカレートして、そしたらある日見知らぬ男の子が現れていじめっ子を蹴散らしてくれたんだ、それがマシュー ってな話なんだけど、これ最初の頃(初演時)はもっと痛みを堪える感じで言ってたんですよ。語ってる内容と相まってどんよりタイムだったの。で、再演のラストでは淡々と、まるで客観視してるかのごとき言い方で辛い経験を語りながら「ねえ覚えてる、マシュー?」とマシューに呼びかけるところで感情がぐわんっと入ってマークの世界が変わったのが解る・・・というように変化したんだよね。わたしそれ見てすごい感動したんだけど、今回は最初からとても優しい声音で語ってるのね。魂が浄化されない10人に向けて、それだけ重い荷物を背負ってるであろう10人に向けて、僕も同じだよって、一人で苦しまなくていいんだよって、そう優しく語りかけてるの。これまではステージの真ん中で佇み必死の想いでカミングアウトしてたのに、今回は客席ひとりひとりを見つつ時にはふわっと笑ったりしながら、10人の心にそっと触れるように台詞を言うのよ。
これ、たぶんきっと以前のガウチでは無理だったと思う。これまでマークは10人の先頭に立つというか、僕が辛い過去を語り秘密をカミングアウトするからみんなも続け!と10人を引っ張っていたんだけど、今回は膝を抱えたキミを抱きしめながら、そっと解いた手をぎゅっと握りしめ、そして立ち上がる勇気が出るまでずっと一緒に待っててくれるような、そんなマークで、これは今のガウチだからこそ出来るマークなんじゃないかなーって。
こう・・・演じてる感がないんだよね。いやもちろん演じてはいるんだけど、ゲイであることを頭で理解したのではなく呑みこんだというか、ゲイであることを特別な要素とせず、それを含めマークという青年としてマシューたちと共に居る姿が自然になったというか。上手く言えないんだけど。ほんと優しくて、優しいからこそこれまでで一番カッコよくって、これは今の中河内雅貴だからこそ演じられるマークなのだろう。
で、それはマーク以外のメンバーもそう。マークほどではないにせよみんなそれぞれ変わってて、ルークはわけわかんないことに必死で、でもみんなを信頼してるからこそわけわかんないことに必死でいられるんだろうし、アブちゃんの強さも強さの中に強かさがあるというか、もしかしたら全部アブちゃんの手の中で転がされているのかなーなんて思ってしまう瞬間があったほどで、観るたびに変化があるんですよね。だけどちゃんとルークでありアブラハムであって、それは揺るがない。どれだけはっちゃけたとしても、それはちゃんとマークでありフアンでありマシューなの。
つーかさぁ、最初に書いたように初演メンバーはもうこれ以上の何かは見込めないんじゃないかと思ってたんだけどさぁ、東山さんなんだあれ。あの人バケモノだろ。
豪くんが「年上二人が再演のバロメーターになってるんだけど、(東山さんは老けるどころか)以前より可愛くなっててね」と言ってたけどほんとその通り(それに対し「豪もすごいよ(ニコッ)」って言う東山さんピギャー!)。今回衣装が史上最高に良かったこともあるかもだけど、東山さん美しさと獰猛さガン増ししてるとか意味が・・・わかりません・・・・・・。そもそもその二つが同居してる時点でおかしいのに(ほんとこの人って動物に例えたら鷲だと思う)。
東山義久という男を初めてみた初演初日の衝撃とはちょっと質が違うけど、それと同じぐらいの衝撃、いや恐怖を覚えたわ・・・。人間とは思えない・・・・・・。
しかもルックスだけじゃねーんですよ。FINALの時よりダンスキレッキレじゃねえ!?足どんだけ上がるんだよ!?ジャンプどんだけたけーんだよ!???。
ガウチがどれだけ経験積んでもまだまだこの人には届かないんだなーと思うと震えるわ。いろんな意味で。
でも千秋楽の挨拶を仕切るガウチは“オチ”である東山さんを紹介するとき「最後は・・・東山」って呼び捨てにしたしw、そのあとWe are〜の歌い出しを1オクターブ高いハイトーンボイス(笑)で歌った東山さんに “でも ほんとはむかしからある”のところを“でもひがしやま〜ちゃんと歌えよ〜”と替え歌したりと中の人的には初演時とは比べものにならないほど距離が縮まってるみたいだけどw。
そうそう千秋楽といえばメドレーのEPIPHANYを「みんな一緒に歌って〜」と言いw、客と一緒に歌いw、ラストに至っては いまこそそのとき「カミングアウト」と客席にマイク向けて歌わせw、バッチリ☆とウインクしやがるガウチなw。そんでそのあと“Get the Hell out 悪魔去れ!”で4人からお前が悪魔だwwwっておもいっきり指差されて「あーわかりましたよ!」っつって去ろうとするガウチなw。アホ仲良しすぎてムカつくw。
なんか話が逸れちゃったけど、この仲良し感が馴れ合いではあるんだけどでも素になってるってのとはちょっと違って、役とシンクロ・・・なのかなぁ?長年演りつづけてきたことによって役者自身の関係性であり距離感が役に反映されてるというか、同化という表現でいいかなぁ?役からはみ出さないんだよね。というより、それぞれが演じるそれぞれの役が縦横上下あらゆる方向に対し広がり深まったことで、役者の素をもキャラクターとして見せられるようになった、というべきか。それが『ファミリー』という言葉に集約されるのだと思う。
初演からずっと最高にカッコよくて最高に美しい男達ではあったけど、LEGENDにはそれに加えて愛があった。
最初にもうこれ以上のアルターボーイズはないんじゃないかと思ってたと書きましたが、まさかこういう方向に進化してくれるとは思ってもみませんでした。
あと衣装も(笑)。本編の衣装もようやっと『フアンちゃんのデザイン』らしいものになったし、なんといってもメドレーの衣装、特にマークとアブの衣装がカッコよくてだな!!!。今回良知アブは本編もメドレーもどっちもお似合いで、それでバッシバシ客と目を合わせてくるからあちこちでハートが飛んでるのが見えたもん(笑)。今回の良知アブほんとヤバかった(笑)。
ダンスや歌の技術的成長ではなく演技力・・・なのかな、やっぱり。でも演技力というとなんか違う気がするんだけど、6人が6人とも歌や踊り以外のところで何かが違って、目の前にいるのはアルターボーイズだった。東山さんやガウチではなくマシューやマークだった。魂が。こういうものを見せて魅せてくれるのならば喜んで財布になるってなもんですよ!。
というわけで、わたしのなかでALTARBOYZという作品に一区切りつけたってのは取り消しで!!(笑)。これからもずっとずっと、東山さんがマシューでいる限り豪くんがフアンちゃんでいる限り、わたしはずっとアルターボーイズの財布でありつづけますっ!!(笑)。