山下 貴光『イン・ザ・レイン』

イン・ザ・レイン

イン・ザ・レイン

3つの視点に●●軸のトリックが仕掛けられてる作品なのですが、それを成立させるために同じ生業をするものたちの関係がややご都合描写というか、蛙の子は蛙的なことならばそれも織り込んで欲しかったなーという気はしたものの、視点となる3人の男がそれぞれほどよく歪んでて、その歪みが他者と関わる中でじんわり形を変えていく、変わっていくのは面白かった。それぞれが動く(生きる)なかでそれなりに犠牲者は出ていて、その中には少年もいたりするのにそれでも妙に前向きというズレた感じも嫌いじゃない。