麻見 和史『特捜7 銃弾』

特捜7: 銃弾

特捜7: 銃弾

帯にデカデカと「心配性の捜一エース」と「超メモ魔の女性刑事」のコンビが警官連続銃撃事件に挑む!とあるぐらいなんでこれどっちかといえばキャラ小説なんだろうけど、キャラ読みするよりも普通に警察モノとして読むのが正解な気がする。
捜一エースのほうなんて心配性のみならず35歳の独身で通ってるジムの女性インストラクター達からはお茶に誘われ聞き込み対象の女性からも好意的な目を向けられるイケメンでありスタイル抜群の美人同僚(同期)と付き合ってた過去持ち・・・とまぁなかなかのキャラでして、決して私嫌いじゃないはずなのに全然ピンとこないというか、イケメン設定が設定でしかないんですよね。それが物語の中でさしたる意味を持たないの。コンビを組む女刑事も同様だし、捜一の同僚たちも個性的ではあるもののそういうキャラでしかない。でも彼らが挑む事件自体は結構面白いんですよ。両腕を切断された遺体が発見され、それが現役警察官で拳銃が奪われていることが判り、さらにその拳銃を使った殺傷事件が起こり、捜査を進めるうちに24年前の未解決事件との類似点が浮かびあがり・・・というもので、真相はまぁわかってみれば大したことなかったんだけど途中まではなかなかよくて、主人公コンビの余計なやりとり抜きにしてこの事件に挑む刑事たちを硬派に描いたほうがよっぽど面白いと思うんだけどなーと。
でもそれじゃあ売れないんだよね、多分。