道尾 秀介『貘の檻』

貘の檻

貘の檻

うーん・・・“粘度”は私が衝撃を受けた初期の頃の道尾さんらしくてまだこういうの書いてくれるんだーって嬉しくなりはしたし、丁寧に張られた伏線をひとつひとつ拾いながら物語が進んでいく様は見事なまでに端正なんだけど、如何せん話自体が面白くない。内容が楽しいものではないからとかそういうことではなく、“先”に興味が持てないんだよね。主人公の“知りたい”という気持ちに同調できない。とても高いレベルの要求なんだけど、もうちょっとエンターテイメント性が欲しいかなぁ。あーでも1か月寝不足続きの頭で読んだからであって、ちゃんと頭が働いてる時にゆっくり時間を掛けて読んだら全然違う感想になる気がしなくもない。これ結構想像力が必要な物語だから。