道尾 秀介『笑うハレーキン』

笑うハーレキン

笑うハーレキン

いつの間にか小学生ですら“仮面”をつけなければ生きていけないような世の中になっていて、他人に対してつけていたはずのその仮面がいつしか自分に対してのソレになっていて、ソレが偽りであればあるほど生き苦しくて、でもソレを外す勇気どころか認める勇気すらなくて。
・・・なんて話がどこへ行きつくのかと思いながら読んでいたのですが、真っ当すぎるところへ着地してホッとしました。道尾さんだけに最後まで気が抜けなかったぜ(笑)。
ものすごく現実的な内面を描いておきながら非現実的・・・というかもうおとぎ話だよねコレ?と思うような物語で、そのギャップは面白かった。