『BORDER』第7話

元警察官僚で大臣クラスの大物政治家という『権力』に『敗北』するってな話で、それ自体はよくある話でしかないんだけど、石川VS掃除屋という『組織外』の視点で描けるのがこのドラマの特徴であり魅力だよなー。でありながらも立花の壁ドンで警察という組織に所属する現場の刑事の心情もちゃんと押さえてて、とても面白かった。欲を言えばおぐりさんが見てるものが「見える」わんこと共闘してほしかったけどw。てか最後の最後まで逆転の切り札をこのわんこが握ってるんだと思ってましたw。
あー、そういう意味では石川が「わかってるけど」言わずにはいられなかった目撃者のおじさんのフォローにわんこを使うことってできなかったかな。ひき逃げを目撃したってだけでも受けた衝撃すごいだろうに母親への伝言という今際の言葉を聞かされたとか一生消えない記憶ってかもう荷物だと思うのね。それだけでも大変なのにその上掃除屋から脅迫を受けたわけでしょう?。家族や社員を守るために証言を翻したことでこのおじさんは一生若者に対する申し訳なさと、それから掃除屋に対する恐怖におびえて生きていかなきゃならないんだよね。恐らく今回わんこを出したのっておじさんがあの時間あの場に居合わせた理由作りのためと、あとわんこが反応することで石川が見てる幽霊が石川にしか見えないもの、石川の脳が見せる幻覚などではなくれっきとした「幽霊」であるという証明のためだったと思うのだけど、せっかく大きくて賢そうなわんこだったことだし苦しむおじさんに寄り添ってあげるワンカットがあればちょっとは救われるだろうになーと。
まぁそういうのがないのがこのドラマのいいところではあるんだけど。
で、今回泥船に乗るつもりはないという情報屋からも、便利屋からもサイガーからまでも拒絶されてしまった石川だけど、掃除屋は境界線の向こう側の住人なんじゃないかなぁ。石川は向こう側に行きかけてるけどでもまだこっち側にいる。だから完膚なきまでに負けた、ということじゃないかなと。そして情報屋たちの力を借りることができなければ、石川ひとりで出来ることには限界があると。
でもだからこそ石川が心配なんだよねぇ。単に権力に負けたってことなら言い方は悪いけど仕方ない面ってのはあると思うんだ。でも石川にとってはそうじゃない。掃除屋という存在を知ってしまった。つまり石川は境界線の向こう側を知ってしまった、向こう側を見てしまった、ということだよね。それが石川にどんな影響を齎すのだろうかと。
そしてその掃除屋を演じた達也さん。いやあ・・・さすがの存在感だったわぁ。ふるちん・滝藤さん・野間口さん浜謙というこの特濃裏社会チームにまったく引けを取らない邪悪オーラぷんぷんで、最高にカッコよかった。つーか「ロマンティック」連発しても普通に聞けちゃうってすごいだろ。だってふるちんが「ロマンティック」言うとこ想像してみ?絶対笑っちゃうってか変態でしかないのにw、達也さんが言うと“そういう人”なんだと思えちゃうもん。
まぁアクションシーンはちょっと・・・演出がアレすぎて恥ずかしかったですけどもw。
あと矢野くんはクズ役がほんとうに似合う。世間的にはリーハイで名前覚えてもらえないダメっこ井出のイメージなんだろうけど、矢野くん本来の魅力はこっちだよ。矢野くんにはぜひともポスト忍成を狙っていただきたいっ!!。