『BORDER』第6話

あのまま逮捕できてたら吾郎ちゃんはきっと取調室で動機として同じことを語ったよね(そういう意味では捕まえてたのに一瞬の隙をつかれて逃がした立花の失態だろう)。
でも死んだ。姉に目の前で自殺された過去を持ち自らも自殺という道を選んだ犯人の『想い』を聴いたのは石川だけ。ここに意味があるんだろうね。
そしてその石川は兄の自殺という過去を、兄の言葉からその兆候を感じとることができなかったという後悔を抱えてると。
姉の死を経験し人を救いたいと医者になったのに助けても助けてもまた戻ってくる人間が多いことに疲れ果てた男が“神曲”に縋った理由、その苦悩を描いてこそ、石川の過去、石川の心情とよりリンクするんじゃないかと思うのだけど、今はまだその時じゃないのだろう。
でもどんどんと境界線の“向こう側”へ進みつつある石川が今まで誰にも話したことがなかった兄のことをサイモンとガーファンクルだけに話した。誰かが石川の想いの欠片を知っている。これは今後の展開における保険だと思う。今はまだそれだけでいいんじゃないかな。
そしてその保険を握ってるのがサイガーであるという事実。わたしはこれがすこぶる嬉しい!。
石川にツツツと近づいたかと思ったらチョコ一粒あげて「これで元気になるよ」って言うサイ君が、そんなサイ君をまさに慈愛の目で見つめるガー君が可愛い愛おしすぎてヤバい!!。
これさ、拘りの高級チョコとかスニッカーズ系の栄養補給的な目的もあるチョコではなくて、明治とかカバヤとかフルタ系のファミリーパックのチョコだったのがまたいいんだよー!。
きっとサイ君も同じチョコとともに誰かに同じこと言われたんだと思うの。その誰かはガー君なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。でもガー君はサイ君にとって「元気になるチョコ」が大切なものだってわかってるんじゃないかな。そしてサイ君が石川にチョコをあげたいと思った気持ちを理解してる。だからあんなに優しい目でサイ君を見てたんだと思うの。
サイ君があげたチョコはそんな二人の気持ちなわけで、石川が貰ったチョコをその場で食べずにポケットに入れたこと。これは当然覚えておくべき伏線ですよねっ!?。