遠藤 武文『龍の行方』

龍の行方

龍の行方

「原罪」に続く城取警部補と四月朔日教授シリーズ第2弾です。
今回は民間伝承をテーマにした作品集で、例えば「見立て」とか明確に事件と絡むのではなく背景にそういう思想があると考えられなくもない(そういう見方もできる)という程度ではあるんだけど、でもそれが作品全体を通しての共通点であるわけで、前作ではただのウザい女でしかなかった四月朔日教授の存在意義がわかったかなーと。相変わらずウザいことには変わりないけど。
私の持論として「先生」と呼ばれる人種にロクな奴がいないというものがあるんだけど、四月朔日教授もその例に漏れず。知事お墨付きの推進室メンバーという立場がどれほどのものか知らないけど、他人に対する口の利き方が酷すぎるんだよね。当然ひたすらクールというか現実主義・・・なのかなぁ?職人タイプの城取警部補との「コンビ」としてこういう人物造詣にしたのでしょうし、城取警部補にくっついて事件に関わることで変化なり成長なりしていくってなことなのでしょうが、性根は変わらないだろうからなぁ・・・。