『仮面ライダー鎧武』第21話「ユグドラシルの秘密」

予告で「ユグドラシルの思い通りにはさせない!」と言ってた紘汰は、貴虎さん(に説明されたこと)に対してではなくシドが教えた『スカラーシステム』に対してであったことはとりあえず一安心。
でもあの鬼畜システムって、要するに鳥インフルエンザの対処法と同じようなもんだよね?。一定区画(沢芽市)内で封じ込め不可能となったらもう未感染者も含めて全部焼却処分するためのシステムってことでしょ?。反論覚悟で言うけど、わたしそのシステム自体は否定できない。世界中でクラックの出現が確認されていて、中でもその発生頻度が最も高いのが沢芽市で、だからこの地にユグドラシルは本社屋を構えたってな話だけど、アウトブレイクまっただ中の沢芽市で 地球=人類を守る ための研究を続けるにあたり、『万が一』の対策を講じておくのは企業として当然のことだと思うんだよね。で、この場合の万が一ってのは沢芽市全域がヘルヘイム・インベスによって・・・侵蝕という表現でいいのかなぁ?もはや対応不能状態になってしまった場合のことで、そうなったら沢芽市外に拡がらないよう沢芽市ごと焼却するってのは対策の一つ・・・どころか最良の方法ではないかと。だからスカラーシステム自体は『必要なもの』と言っていいと思うの。
問題はそこで沢芽市民には何も知らせず一切の選択余地を与えず問答無用でスカラーシステムを発動し一斉焼却するつもりなのか、ってことだよね。スカラーシステムを発動するほどの状況になってる時点で沢芽市はもはや『平和』ではないわけで、だから市民が「何も知らない」ってことはありえない。そしてこのまま行くとどうなるか(ヘルヘイムの森の真実)を知らされたからと言って市民に何が出来るわけでもない。逃げるだけだよね。だから市民が沢芽市から脱出できるだけの時間を取ったうえでスカラーシステム発動ってのが理想だと思うんだけど、でも沢芽市民=一般大衆が粛々と退避するとは思えないし、街を捨てるならばこれ幸いと暴徒化する可能性も少なからずあると。だから結果的に多くの人類を救うために少しの犠牲はやむを得ないという形になる・・・ってのがユグドラシルの考えってことか。まぁ世界中でクラック出現してんだから沢芽市焼いても根本的な解決にはならないし、焼いた時点で世界にモロバレするだろうからそうなったらもうユグドラシル一社でどうこうできる話じゃなくなるだろうけど。
きっと大半の市民が紘汰姉のようなスタンスだと思うんだよね。自分の人生なんだから勝手に終わりを決められたくないと、必要な情報を貰った上で自分で判断したいと、そんな感じなんだと思う。だからさー、いざってことになったら全部を全部じゃなくていいからある程度のところまで情報を公開し、選択させりゃいいと思うんだよね。選択っつっても普通は逃げる一択だけど、でも中にはどうせ逃げても無駄なら一瞬で死にたいと思う人もいるだろうし(わたしとか)、火事場泥棒すべく残るヤツは逃げ遅れて焼かれてもそれは自業自得だし。
で、ユグドラシルには『プロジェクトアーク』なるものもあるらしく、それはその名の通り“ノアの方舟”だろうと、だとすればそれはスカラーシステムに対応するためのものではないかと、スカラーシステムによって破壊した沢芽市から“脱出”するためのプロジェクトであり、その舟に乗ることが出来るのは(乗る価値があるのは)貴虎さんが言ったように「ヘルヘイムと戦って勝った者」だけだと推察するけど(いや、スカラーシステムを発動させた時点でヘルヘイムに“負けた”ことになるわけですが・・・)、沢芽市から逃げようが地球のピンチに変わりないわけで、どこに向かうつもりなの?宇宙??・・・ってことはまぁ置いておくとして、そういうユグドラシルの在り方になにかちょっと・・・割り切れないものを感じてるのかな、貴虎さんは。
呉島貴虎という男は本来『邪悪と見做したものに対し真っ直ぐに怒りをぶつける』タイプの人間なのかもしれない。でもユグドラシル幹部の息子として幹部となるべく育てられ生きる中でそれは許されず、徐々に徐々にその・・・熱さを自ら閉じ込めていったのではないかな。でも葛葉紘汰と接することでその封印に隙間が出来た。出来てしまった。その自覚があるからユグドラシルの森の真実を葛葉紘汰に語った。その理由はなにも葛葉紘汰ならばユグドラシルが考える以外の人類を守る方法を見つけられるのではないかと考えたからなどではなく、そんな方法はないことを他の誰よりも自分自身が一番解ってて、それなのに、それでもなお、割り切れない想いが貴虎さんの中にあるからなのではないかなー。葛葉紘汰についつい期待をしてしまう自分がいやで、葛葉紘汰にはさっさと戦いから降りて欲しいと、葛葉紘汰が逃げ出せば『諦められるのに』と、それは思わず零してしまった呉島貴虎の本音、なのだろう。
兄のこの複雑な感情を弟が理解することは・・・・・・ないだろうなぁ。
兄の部屋にズカズカ入ってきてアウターをソファーに乱暴に投げ置き(その時シドに威嚇の視線を投げつつ)「なんで紘汰さんに話したんだ!」と詰問するミッチ完全に『自分の関知してないところで兄さんと紘汰さんが喋った』ことを怒ってたもんねw。いやまぁもちろん話の内容もミッチ的には紘汰さんには“知って欲しくないこと”ではあるんだろうけど、もし紘汰に話したのがプロフェッサーだったらこんなにもプンスカしないと思うのよ。『兄さんが』『紘汰さんに』話したことが気に入らないんだよね。
そして「紘汰さんは何を仕出かすかわからない人」なんだからと兄さんに『ボクのほうが紘汰さんのことを解ってる』アピール&『何を仕出かすかわからない紘汰さんのフォローをするのはボクなんだからね』アピールをするミッチ。はあー可愛い(笑)。
でもシドは貴虎さんのことをわかってる!!!。貴虎さんの揺れる想いにシドはちゃんと気づいてる!!!。
シド曰く“お前の熱さ真っ直ぐさは他人を惑わし引き込む”から排除するってなことだけど、確かに目障りな存在ではあるんだろうけど所詮は子供なんだからそんなにムキになる必要はない・・・よね。それなのに今回シドがわざわざプロフェッサーに許可を取ってまで本気で殺りにでるという“らしくない”行動に出たのは、他の誰でもない貴虎が葛葉紘汰のせいで揺れているからだと思うの!。以前シドは湊耀子に対し“腹に一物”あることを隠さなかったわけで、だから「ボス」としての貴虎を守ろうとしてるとかそういうんじゃないんだろうけど、でも貴虎が甘っちょろいこと言うのは気に入らないんじゃないかなと。単純に純粋に『呉島貴虎』がそこいらのガキに影響されるのが我慢ならなかったんじゃないかなと!。
葛葉紘汰を巡る呉島兄弟の会話を横で聞いていたわけだから「スカラーシステム」について『部外者』である葛葉紘汰に教えることは貴虎の意思に背くことだって解ってるはずなのに、ペラペラと話した。それは当然自分が葛葉紘汰を潰すから、つまり冥土の土産に教えてやるぜってなつもりでのことだったのでしょうが、結果はまんまと敗北。自分から喧嘩売っておきながら敗北。余計なこと言うだけ言って敗北。
・・・・・・そらミッチに「なんてザマだ」言われますよね。まったくもってシドさん使えない。
でも“貴虎のために”というシドの気持ちはわたし責められない。貴虎を変えてしまう可能性は俺の手で潰しておかねばならないというシドの気持ちはわたし分かるわっ!。
とりあえず次回プロフェッサーにそこいらへんをニヤニヤネチネチつつかれて甚振られるシドの図が楽しみですw。
あとミッチにすごい視線で見下されるのもw。
あーでもシドを助けるためにミッチがやった自作自演は酷かったよねぇ。インベスなにもわるくないのに呼ばれて飛び出て瞬殺ってさぁ・・・。
あとチンピラに現金強奪命じられ金の詰まったトランク運んできて「ご苦労だったな」ってねぎらわれたインベスがぺこりって頭下げててさー、インベスが「敵」だとはやっぱり思えない・・・・・・んだよねぇ。百歩譲って敵と思うにしても「悪い奴」だとは思えない。むしろ人間のほうがよっぽど悪だよなーとしか。
あーそうそう、前回インベスが元生物だと知ってグダグダ躊躇ってたのに、今回中身が元生物どころか「シド」という顔見知りの人間であるにも関わらず全力で必殺技かました上に変身解除され生身状態のシドに対し「あと一歩だったのに」とか本気で言ってましたよね、紘汰さん。ミッチが悪知恵働かせ逃がしてなかったら紘汰さんはあと一歩で何をどうするつもりだったんですかね?。怖いわー。
で、そんな紘汰さんはどうやらついに次回裕也のことを聞かされるようで、さすがに1話やそこらじゃ乗り越えられんだろ(消化できんだろ)と思うもののでも紘汰さんだから・・・・・・。
つーかわたしにとっては紘汰なんざどうでもいいのよ。絶望するなら好きなだけ絶望してればいいし立ち直るんなら立ち直ればいい。どうだっていい。
でも裕也バレの前に紘汰に対し「何かを秘密にしておこうと言いだしたヤツのことはとりあえず疑ってかかったほうがいい」という発言がなされたことは気になる。だってこれミッチのことでしょ?。
今回白いアーマードライダーから聞いた話をミッチにしたのに、ミッチは驚きもせず(実感がわかないと理由付けしてたけど)即ユグドラシルに理解を示し「舞さんのためにも秘密を守り僕たちで街を守りましょう!」と言い切った。このことと阪東さんに言われたことが紘汰の中で結びつき、そこへトドメとして裕也のことを聞かされたら多分直情型かつ頭の悪い紘汰さんのことだから「ミッチは知ってたのか!?知ってたんだな!?」ってなことになるのではないかと。
で、それを紘汰さんに話すのは貴虎兄さんっぽいよね?。シドが口滑らしたせいでスカラーシステムのことまで知られてしまった以上、全てを話すしかないってなことになっての裕也の話になるんだろうけど、きっとそれは葛葉紘汰に戦いから降りて欲しいと願う貴虎さんにとって最後の・・・賭けなんじゃないかなぁ。
でもミッチは紘汰さんにそれだけは知られたくないと思ってる。紘汰さんのために、舞さんのために、そして自分のために裕也さんのことを紘汰さんに知られるわけにはいかないと思ってる。
裕也のことを紘汰が知ってしまったらミッチがどうなってしまうのか、もはや真逆としかいいようがない呉島兄弟がどうなってしまうのか、わたしはそれがとても心配です。


ところで。プロフェッサー凌馬のキーボードってあれ特注なんですかね?。同じキーの表面をぺろぺろ撫でてるだけのあの動きに対しプロフェッサーが見ていたモニタの中ではどんな画面がどんな動きをしていたのか、わたしとても気になります。