『仮面ライダー鎧武』第35話「ミッチの方舟」

ああ、前回の雨あられの勢いで撃ちこまれた戦略ミサイルは、アメリカ合衆国が率先して撃ち込んだものだったんだ。その翌日日本は集団的自衛権行使が閣議決定された(されることになりそうだ)と。もちろんこれがフィクション、それも子供向け番組であることは承知してるけど、ロシュオが“消した”と思った戦略ミサイルが実は発射国に撃ち返されていてその結果アメリカ壊滅とかさ、アメリカがミサイル発射したことでじわじわ嬲り殺しにされるよりかは一気に侵略・侵食されたほうがマシだろうと気を利かせてくれたロシュオさんによって世界中でクラックが開きインベス大量出現で人類滅亡まっしぐらって、なんかあれだね、ちょっと複雑ってか皮肉だね。
ていうか今戦極さんどこで何やってんだろ??。あとサガラも。
・・・とまぁそんな感じで自分を誤魔化そうとしてみたけど、ミッチってか高杉くんがわけのわからない長クソ台詞を言わされた事実から逃げることはできませんよね・・・・・・・・・。
「勝てるはずのない相手に歯向って、そんな戦いに大勢を巻き込み、責任なんか取れるはずもないのに、後先考えず」
これは頷けたの。しかもタナボタ的に手にした力が発端であり、さらに大きな力も全て他人(サガラ)から貰ったものでしかないからね。まぁ紘汰は局面局面で目先の危機に力を持ってるからこそ対処しようとしただけであって、戦極やらサガラやら、あとまぁオバロの事情にはハナから関係してないってか知る余地がなかったわけで、だから今の状況が紘汰のせいだってのはさすがに違うんじゃないか?とは思うけど、でもまぁこれに関しては“ミッチが”そう考えた・・・ってことは理解できる。
で、そんな紘汰にミッチはついに本当の貌を見せた。


「貴方は事の始まりから大きな勘違いをしている。貴方は親友の命を犠牲にしてまで舞さんを守った。それを誇りにするべきだった。最悪の状況下で最善の判断が出来たことを胸を張って・・・自信に繋げるべきだった。(容赦なく紘汰の顔面キック)そうやって決断力と意思の強さを磨いていけば(へたりこんでる紘汰を胸倉掴んで引っ張り起こし)貴方は人類の英雄にだってなれただろう。だから僕は貴方を尊敬してた。誰よりも舞さんに相応しい男だと思ってた。そんな貴方を堕落させたのが・・・希望とかいう戯言だ(パンチ)。そして貴方は都合のいい楽観に流されて、現実から目を背け、愚かな過ちを繰り返すようになった。(ベルトを取り出してガチャリ)希望っていうのはタチの悪い病気だ。(メロンエナジー)それも人に伝染する。紘汰さん、貴方はそうやって病原菌をまき散らしてるんですよ」


舞さんのために親友を殺せる紘汰さんを堕落させたのが希望・・・?希望=病原菌・・・・・・?
この子は一体なにを言っているのだろうか・・・・・・。
“そうとは知らなかったとはいえ裕也の命を紘汰が奪った”という真実を誰がどの段階で知ったかとか薄らぼんやりとしか覚えてないんだけど、紘汰とミッチが共にそれを知った時点では舞にだけは言ってはならないってな話だったよね?。でも紘汰は独断で舞に明かし、その辺からミッチが暗黒ロードを驀進するようになった・・・んだよね?。つまりこの時点でミッチにしてみりゃ紘汰は人類の英雄となる資格を失ったと、そういうことなわけ?。で、紘汰を“堕落”させた『希望』ってのは、最初は貴虎と共闘できるんじゃないか、次はオバロと話し合えばなんとかなるんじゃないかとか言ってたこと?。まぁ確かに現状こういうことになってる以上それは“楽観”であり“愚かな過ち”と言えなくもないけど、それがタチの悪い病気、病原菌ってのはちょっとよくわかりません・・・。
だって紘汰の存在ってそんなに「希望」か?と。周囲の人間に影響与えてるか?と。それを言うなら戒斗の方が相応しくねーか?と。
まぁミッチにとっては舞さんと貴虎兄さんが影響されればそれで充分ってか、鎧武メンバーとかそれ以外の人間はオマケ程度にしか思ってないんだろうからその二人が病原菌に侵された時点でアウトなんだろうけど。
ていうか突如「希望」なる単語が前面に出てきて戸惑ったってか、舞が“紘汰を信じてるわけじゃなくて紘汰が信じてる希望を信じる”とかなんとか言ってて驚いたわ。
え?おまえ紘汰のこと信じてないのん????純粋に好きな男を守り支えたいから一緒に戦いたいんじゃないのん???????????って。
・・・・・・・・って、今これ書いててふと思いついたんだけど、舞はほんとに世界を救いたい(でもミサイル返しによってアメリカにいた人たちどれぐらい死んだんだろう・・・発射したところに正確に送り返したんだとしたら各基地だろうからそんなに人間いなかったかもだけど、ざっくり「アメリカ」という国に返したんだとしたら何百万何千万って数になるんじゃ・・・もうこの時点でアメリカの気質的に怪人云々関係なくやられたらやり返す!!って世界戦争おっ始めそうなんだけど・・・)という紘汰の言葉=希望を信じてるだけであって、そのために一緒に戦いたいんであって、戦いながら守り支えたい男は戒斗なのか・・・・・・?なんかそんな気がしてきたぞ・・・・・?。
ミッチがこうまで病んでしまった理由は尊敬する紘汰さんなら舞さんの相手として相応しいと思ってた=紘汰さんはヒーロー(英雄)だと思ってたのにその尊敬を裏切ったどころか舞さんまで巻き込んだからなわけで、最初から舞の相手が戒斗だとわかってたらこんなことにはなってないんじゃなかろうか。戒斗だったら単純に“お前は舞さんに相応しくない”ってだけだっただろうし、相応しくないと戦いを挑んで負けて舞にフラれて・・・ってな話になったんじゃないかなぁ?。それならちょっとハードな青春物語ってだけで、その結果多少病んだりやさぐれたりしても、少なくとも『僕の方舟思想』なんぞに憑りつかれることはなかったんじゃないかなーって。人生うまくいかないねw。
それはそうとして、コンビニの入り口で逆光を背に立つミッチ(なんというセルフプロデュース力の高さ!!)を見て「なんでそんなカッコしてんの?」と聞いた舞に珍しく完全同意(笑)。
あれミッチ的になんのつもりでスーツ着てたんだろうね?。舞さんを迎えに行くための正装?それとも支配者として当然のマナー?。
なんにせよ、こんなにビシっと決めて方舟へ招待したってのにあっさり断られてミッチってばかっこわるいけどそこがまた可愛いw。紘汰の顔面に容赦なく893キックぶち込むミッチは超カッコよかったし!!。


で、そんなミッチと紘汰の会話を物陰に隠れて聞いてる貴虎兄さん。
当初ロシュオは貴虎さんを通して現在滅ぼされ中の人類について探りを入れてた記憶があるんだけど、だからてっきり貴虎さんはオバロにとって“客分”扱いだと思ってたんですよね。まさか囚われの身だったとは・・・・・・っ!。
ていうかていうか!貴虎さんが囚われていたと思うと裸にボロジャケットで過ごした日々がより一層ときめきますなあ!!(笑)。
で。ずっと葛葉紘汰に話しかけるタイミングを探っていた貴虎さんは、葛葉紘汰をスーツ姿の弟が甚振る様を、弟が自分のベルトを装着するのを目撃。
「光実が・・・なぜ、俺のベルトを・・・!?」と驚愕する貴虎さん。
「ミッチ・・・・お前だったのか?じゃあ本物の貴虎はどうなった!?」という紘汰に「死んだよ。あんたの病気が伝染ったせいでね」と答える弟の向こうに兄の姿が・・・・・・
ってこれ多分笑わせようと思って撮ったシーンじゃないと思うんだけど、でもものすっごい面白かったですw。
囚われの身から解放されて、インベスが跋扈する壊滅した沢芽市に「ユグドラシルは守れなかったのか」と呆然と呟くことしかできなかった貴虎さん。
貴虎さんにとっての「希望」である葛葉紘汰の隣に自分を殺そうとした湊耀子の姿があることを、さらに盟友であったはずの凌馬が現在のこの世界的危機を引き起こした張本人(の一人)であることを、貴虎さんがどう処理するのだろうか。
・・・と思ったら、次回兄弟対決ですか・・・・・・。



「兄さん、最後は僕のために犠牲になってよ」
「光実、お前はここで終わる」


もっとマトモな話でこのやりとりを見たかったです・・・・・・。
久保田くんと高杉くんが(美形)兄弟と知った瞬間から見たい!!と思い描いてたシチュエーション(のひとつ)なのに、その時はローリング床バンからの壁に頭突きするに違いないと思っていたのに、ぼんやり眺めることしか出来ない気しかしないよ・・・。


つーかなぁ・・・兄さんは結局弟を“終わらせる”ことが出来ないんじゃないかと思うのだけど(もちろん紘汰も無理)、だとしたらミッチにはもうオバロに裏切られ崩壊する未来しかないよねきっと。まずはリカとチャッキーだかラットだかが王妃へのエナジー供給体にされてんのを目撃しちゃうんだろうな。
つーかミッチはなんでレデュエとの『口約束』を当たり前に信じてるんだろうね?。ミッチ自身、レデュエたちオバロに協力しながらせいぜい利用できるだけ利用してやるってなスタンスだったはずなのに、相手もそうだと思わないのかと。
レデュエは人類のテクノロジーとオバロの呪術を組み合わせてエナジー供給システムを作ったとか言ってたけど、これが人類側のテクノロジー運用にはミッチの知識が必要だとかさ、レデュエの野望に“ミッチが”必要な理由があるならわかるんだけど、レデュエが王になったらその玩具である人類の管理者が必要ってだけでそれがミッチでなければならないってことはないよねぇ?。そのことに通常時のミッチであれば気づかないはずがないんだけど、マイ方舟で頭いっぱいの今のミッチは自分がどれだけ不確かな立場にあるのか理解してない・・・ってことか。自分がオーバーロードに「要らない人間」だと判断されることもありえるとは全くもって想定してはいないと。可哀想だな・・・ミッチ。