『仮面ライダー鎧武』第14話「ヘルヘイムの果実の秘密」

初瀬ちゃんはもうこうなるしかないだろうし、裕也もおそらくそうであろうことはかなり早い段階から予想はできました。あとまぁ大人目線としては脚本家の名前から連想できたりもするわけで、だからこの結果、この結末には深いため息と共に「ああ・・・・・・やっぱりね・・・・・・」ってな言葉しか出ないんだけど、ていうか本郷猛が「平成ライダーだと?甘ったれるな!」は思いっきり言いそうではあるものの「平成ライダーなどライダーとは認めん!」っつってた方が結構な衝撃ですよね・・・・・・うん・・・うん。


初瀬ちゃんも裕也も役割としてはすごく重要なものを担ってると思うんだ。初瀬ちゃんブログ(http://ameblo.jp/atushi-shiramata-we/entry-11753221844.html)の

脚本家である虚淵さんには「初瀬ちゃんはマドマギのマミさんポジションで物語のターニングポイントを作る人だから!」というコメントをいただき絶対に上手く演じなきゃ!という責任も感じたりしました

あ、後「初瀬る」という言葉を浸透させよう!っていうのもお話ししました笑笑

ここにはハァ!?マミさんポジションとかしらねーよ。深夜アニメとニチアサ一緒にしてんじゃねーぞ!!としか思えませんが(注:それを役者に言う脚本家がね。白又くんは悪くない)、仲間がインベスとなり主人公の目の前で新世代ライダーに『殺される』という展開はまぁこの作品のターニングポイントとして必要なことではあるのだろう。だからそれはいい。
でもね、その仲間である『初瀬ちゃんの気持ち』を描かないってどういうことなのかと。そりゃあ力を求め禁断の果実に手を出し怪人になってしまった人間の気持ちなんて子供にしてみりゃ恐怖でしかないだろうけど、でも初瀬ちゃんライダーなんだよ?。怪人になってしまったけどでも初瀬ちゃんはアーマードライダー黒影なんだよ?。
初瀬ちゃんをライダーとして死なせないというのなら怪人化を解くべきじゃなかったと思う。今後このネタをどう扱うつもりなのか知らんけどラット(仲間)がインベスに傷つけられてしまうという展開もまた必要で、そのためにそうと知らずに初瀬ちゃんに近づいたことで・・・ってな流れにしたのだとしても、紘汰の説得が効いたんだかなんだかわかんなかったけど一旦初瀬ちゃんの姿に戻したからにはそこで初瀬ちゃんの気持ちを描くべきだろう。初瀬ちゃんが何を求めてあの店にやってきて、そして再び怪人化してしまったのか、これじゃあ“ラットを傷つけるために”初瀬ちゃんの姿に戻ったってだけじゃん。
つーかメアドの交換こそしてたものの基本争ってただけだし、ていうか繰り返しになるけど白いアーマードライダーという圧倒的危険要素の“囮”に使ったくせに何が『仲間』だよってな話なわけで、取ってつけたように紘汰がインベスに初瀬ちゃんの笑顔を重ねて見てしまうような描写を入れてんじゃねーよと。お前いつどこでその初瀬ちゃんの笑顔を見たんだよと。果実口にした瞬間から初瀬ちゃんはもう初瀬ちゃんではなくインベスでしかなくて、人間を襲う化け物でしかなくて、だから紘汰の言葉も届かないしシグルド=シド=大人は容赦なく殺しそれを「正義」だと言ってのけると。そういうことならばなおさら初瀬ちゃんを初瀬ちゃんの姿にすべきじゃなかったよ。
今回見ながら感じたことなんだけど、この作品ってキャラクター(登場人物)に対する愛がないと思う。『衝撃の展開』は結構だけど展開ありきで、そのために悲惨な目に遭う(遭わせる)キャラクターに対する気持ちが感じられないんだよね。初瀬ちゃんの気持ちを描けと何度も書いてはいますが、描かないことに意味というか理由というか、そこにちゃんと『想い』があるならいいんですよ。どんだけキャラクターを酷い目に遭わせようがそこにちゃんと愛があるなら納得できるはず。でもこの作品はそれがない。だから本筋(展開)云々関係なくなーんか気分悪いのよね。
紘汰が初瀬を殺せないと煩悶するのだってこれまでのことを考えれば目の前のインベスを倒さなければラットだけじゃなくもっと多くの人が襲われるかもしれないわけで、でもそのインベスは初瀬なわけでってところで苦悩するはずなのに紘汰の中にあったのは「初瀬を殺すなんてできない」、つまり俺は人殺しなんてできないよーってことだけであってあれだけ偉そうに言ってた「人々を守れるのは俺(の持つ力)だけだ」なんて覚悟はそこには全く影響してないじゃん。その板挟みになってこそシドが持ちだした『正義』って言葉が生きるんだろうに。初瀬ちゃんがこういうことになるのは当初から決まってたんならもうちょっと紘汰との間に『仲間感』を感じさせる描写を入れとけよってな話だしさ、つーかコンビ売りしてた城乃内はどこ行ったってな話でさ、ほんと行き当たりばったりなんだもん。話の作りがとにかく雑。
まぁ雑といえば貴虎兄さん周りのアレコレなんですけどね(笑)。
あの大きさの車の後部座席に弟が忍んでることに気づかないことはまだしも、ミッチによるユグドラシルの受付突破からの監視カメラ破りが偶然頼みすぎるのもさすがミッチ持ってる!ってことでいいとしても、個人用(だよな?)とはいえ鍵も掛けてない部屋にあんだけ重要なデータが入ってるパソコンを置きっぱとか・・・つーかパスワードもかけてないとかこの人ってばほんとにもう・・・・・・・・・・。
これなんでミッチにパスワード解除させないんだろうなぁ?。ここでパソコンのロックが掛かってればセキュリティ問題とりあえずはクリアされるし、そのパスワードが弟に関すること、例えば兄弟にとって大切な思い出に纏わるものだとかミッチが幼い頃お兄ちゃんに頼んで買ってもらったペット(ハムとか亀とか鳥とか)の名前とかであれば貴虎→光実のさらなる補足になるし、それはこの先あるであろう兄弟対決に於いてミッチが悩み苦しむ材料の一つにだってなるだろう。パスワード解除一つでそれだけの積み重ねが出来るってのになぜこんな馬鹿としか思えない展開(描写)にするのか心底謎だわ。
・・・ていうか一番謎なのはプロフェッサー凌馬のあのレポートですよね(笑)。モルモットにヘルヘイムの森に生息する果実を与えると遺伝子から別の生き物=インベスになるってことは実際に映像で見せれば一目瞭然だとしても(遺伝子情報から書き換えられるんだとしたらなんで初瀬ちゃんは両手以外は一旦初瀬ちゃんに戻ることができたのだろうか。戦極ドライバー装着者であったことがそこに何らかの影響を及ぼしてるのか?)、それ以外の部分は文書で寄越せよと(笑)。この調子だと全てのレポートがカメラ目線でのレポートですよねコレ(笑)。
つーか監視目的でカメラ設置してんだろうから定点映像でいいだろうに裕也が果実を食べちゃう映像がなかなかのカメラワークだったことにも一応突っ込んでおきます(笑)。
つーかこんだけ機密情報詰まったパソコンの中に「モルモットの一人が光実である」という情報だけは入ってないんだろうねー(笑)。
で、これ戒斗さんとともに紘汰もまたユグドラシルに捕らわれ、それをユグドラシルに潜入中だったミッチが助けるってな展開になりそうだけど、そのドタバタが終わってみれば初瀬ちゃんの死は過去のことってなことになりそうで。紘汰は初瀬こそ手を下さなかったもののこれまで倒してきたインベスもまた人間(でなくとも命を持つ生き物)だったのかと思い悩むんだろうし、戒斗は戒斗で白いアーマードライダーひいては何もかもの背後に俺から家族を奪い沢芽を変えたにっくき「ユグドラシル」がいると知ったことでおのれユグドラシルでいっぱいになるだろうし、ミッチは紘汰さんが裕也さんを既に殺っちゃってるという秘密を抱えてしまったわけだし、もう初瀬ちゃんなんてどうだっていいだろ。せめて城乃内ぐらいは・・・とは思いたいけどユグドラシルがそれを公表することはないだろうし紘汰だって初瀬ちゃんがインベス化したのを共に目撃してしまった戒斗やミッチには言ったとしてもわざわざ城乃内に知らせることはしないのではないかと思うわけで、つまりもう「初瀬ちゃん」について語られることはないかもしれないよね・・・。
ていうかミッチは知ってしまったこの真相を一体どうするつもりなのだろうか。紘汰に対し思うところはあれどさすがにこれは紘汰に言うわけにはいかないだろうし舞さんにもさらなる秘密を持つことになってしまうわけで、しかも兄さんとシドがずぶずぶの関係であることもその目で見てしまったわけで・・・。ミッチのことだからこの衝撃的な事実に打ちのめされながらも兄さんのパソコンのデータをごっそりコピーするぐらいの機転利かせても全く驚きはしないけどw、ミッチが今後どう動くのかちょっと心配。脚本的な意味でも。


しかしミッチのベージュダッフル姿はかわいい。とんでもなくかわいい。こんなかわいい子がお兄ちゃんの会社でスパイごっことかマジたまらん。
ミッチのスパイごっこをプロフェッサーが監視カメラでニヤニヤ眺めてたりしないかなー。